小さなお客さんPart2(7)

予告していたとおり、今日は午前中に散髪に行き、午後からメダカ水槽のオーバーホールに取りかかった。この間にも、タニシはどんどん増えている。見るにみられぬ惨状を、何とかせねばなるまい。蝉時雨の中、水槽に向かうのであった。

まずは、中の生き物を別の場所に移さねばなるまい。別にバケツを用意し、水槽中の水をくみ出し、バケツに移す。このとき、メダカも掬いだし、石巻貝も引っぱがしてバケツに移す。ヤマトヌマエビも移すはずなのだが、何と、影も形も見えないのである。まさか…。だが結論は出さずに、目に見える生き物はバケツに移し、水もほとんど移してしまう。

次は、水草を取り出し、別の入れ物に移しておく。水草にも、タニシがたくさん付いている。こいつらの処分が今回の鍵になりそうだ。

隠れ家やエアーポンプも取り出す。この時点で、水槽はほぼ空になる。底に砂利があるだけである。隠れ家にもタニシがたくさん…。エアーポンプはフィルターも兼ねているが、フィルターを取り出すと腰が抜けそうになる。ちっちゃいタニシがびしっと…。使い捨ての活性炭フィルターはそのまま捨ててしまい、ケースと隠れ家はよく洗う。

ここまで来て、はっきりしたことは、ヤマトヌマエビがいなくなっているのである。どうやら、メダカに食われたらしい。メダカは肉食であるが、いくらなんでも自分たちと同じ大きさかそれ以上の生き物を食べるとは思わなかった。人気者だったヤマトエビが…。この水槽内では、のどかな中にも生き残りのための闘いが繰り広げられていたのである。

砂利は、洗ったぐらいではどうにもなりそうにないので、キッチンの洗い桶に熱湯を張り、そこに砂利を放り込む。石に付いていたタニシやその卵は、可哀相だがおシャカになってもらう。この砂利がどうやらタニシの異常発生の根源のようで、中から大量のタニシの死骸が…。本来ならタニシにも天敵がいようが、狭い水槽内ではどうしようもあるまい。せめて、メダカがタニシを食べてくれればと思うのだが、無理だ。

水槽は、よく洗う。ガラス故、熱湯は避けてよく洗うことにする。ここに卵やらなんやらが残っていては元も子もない。きれいになった水槽に、熱湯付けにした砂利をザルで水洗いして汚れを落とし、温度も下げて、水槽に移していく。砂利が少ないような気がしたので、取り置きの砂利を少し足しておく。

水を張らない段階で、エアーポンプや隠れ家をセットしていく。そして、バケツから元の水を戻していく。この水も安全ではないが、こればかりはしようがない。いくら何でも、水を全部換えてしまうわけにはいかないので、2/3ほどはもとの水で水槽を埋める。メダカと貝も、戻してしまう。

さて、水草だがどうするか?水草は、二種類入っている。いわゆるマツモの類と、幅の少しある葉を持ったものである。どうやら、タニシは後者をエサにしているらしく、こっちは葉がぼろぼろ、付いている貝も多い。もうすでに葉もなく、ぼろぼろの水草は、可哀相だが元に戻さないことにする。マツモの方をよく確認したら、ちっちゃな貝が2匹ほどいたので、それを取ってしまう。これで、ほぼOKだ。

水草を戻せば、水槽がスッキリしたかに見える。くみ置きの水を足し、元の水位まで上げる。この時点で、タニシはいない。今回、水や水草は捨ててしまったり熱湯漬けにするわけにはいかないので、もとのが入っている。だから、タニシが復活したとしてもしようがないのである。丹念に取っていくしかないだろう。

田んぼでは、タニシの類が消滅したと聞くが、これは薬のせいである。薬のない場合、タニシの天敵は、ザリガニや昆虫の類だろうか?ホタルの幼虫なんかはカワニナという巻き貝の天敵という。だから、タニシにとってのそういうものがいればと思うのだが、そんなものを水槽に入れるわけにもいかない。だから、ちょっといやなのだが、やっぱり取っていくしかないのだろうな。そう考えると、田んぼに薬というのは、手っ取り早くもあるが恐ろしいと思った次第である。

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