墓場鬼太郎―水木しげる

墓場鬼太郎 (1) よく見るとちゃんちゃんこの色が違うなぁ。

敬愛する水木しげる先生の貸本漫画家時代の作品だが、あの有名な「ゲゲゲの鬼太郎」のベースとなった作品といった方が、わかりやすいだろう。べースといっても、ア二メ作品にもなった「ゲゲゲの鬼太郎」とは作風も画風も相当異なるのだが。ただし「ゲゲゲの鬼太郎」アニメにもいくつかバージョンが存在し、中でも最初のモノクロ版は相当おどろおどろしいのに対し、直近の「夢子ちゃん」バージョンは完全に正義のヒーローものになっている。その時代に合わせた味付けになっているというところだろうか。

話を「墓場の」に戻すと、これはかなりやりすぎの感のするマンガである。単調なコマ割りにしては書き込まれた背景や登場人物など水木マンガの基本が生きている。冒頭の幽霊夫婦の話と絵は相当気持ち悪いのだが、対する製薬会社勤務の青年とその母親は相当剛胆な肝の持ち主だ。幽霊夫婦と渡り合い、しかもその子供を気持ち悪いと言いながら育ててしまうのだ。何か打算があるわけじゃなし、かわいそうとか祟りが怖いとか、そんな感情だけで「幽霊の」子供を育てられるもんじゃない。

ここで「幽霊の子供」と書いたが、これが「鬼太郎」なのである。そう、鬼太郎は幽霊の子供だったのだ。鬼太郎は妖怪の仲間ではない、それだけでも相当のショックだが、幽霊がいわゆる「ヒュードロドロ」的な存在ではなくて、「幽霊族」という人類以前の先住民族だというのだから驚く。鬼太郎は、幽霊族の生き残りだったのだ。

「墓場の」では、あの「目玉おやじ」の出生も明らかにされている。これはわりと有名な話なのだが。それにネズミ男も登場する。これは見た目はともかく内面ははるかに善人(?)だ。主要なキャラはここで揃うのだが、なんとあの「ちゃんちゃんこ」もいつの間にか登場している。これは先祖の毛髪を編んで作られたらしいが、果たして誰の毛で誰がいつ編んだのか?謎である。この段階では特に力は発揮していないようだが、すでにきちんとシマシマである。

それぞれのストーリーは実物を読んでいただきたいが、まだまだ続くらしい。個人的には、同じ貸本に載っていた他の作家の作品が気になるのだが…。

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