IT小技―Wordの「変更履歴記録」機能と上手に付き合う

職業柄、Wordの「変更履歴記録」機能はよく使う。原稿に修正を入れてライターにフィードバックしたり、社内ドキュメントの変更記録を自動的に更新するなどだ。だが、便利な機能ほどトラブルが多いというのもMicrosoft社製のソフトウェアではよくあることで、この機能にはかなり重宝させられながらも悩まされてきた。いっそ使うもんか!という短気を起こす前に、少しでも上手に付き合う方法として軽くまとめてみたのだが…。

ちなみに、Wordはちょっと古い2002である。2007が出るというのに。

まず、どのようなことに悩まされてきたか書いてみよう。

もっとも多いのは、保存時、あるいはスクロール時の「ハングアップ」である。CPUを100%近く使ったまま、帰ってこない。保存時にこうなると最悪で、「タスクマネージャ」でWordを強制終了させたあと、おそるおそる修復を試みることになる。たいていの場合は、修復したはずの文書を読んでもハングアップするか、ぐちゃぐちゃに壊れた文書が現れる。最近は、このようになったら「諦めて」いる。

次は、動作が異様に遅くなることだ。表の幅やセルの大きさなどを修正すると、変更範囲が大きくなるせいか、その部分を表示させた場合の動作が異様に遅くなる。考えてみれば当たり前の話なのだが、作業に支障を来すほどなら問題だ。

こういう状況を回避するための方策をいくつかまとめたので、参考になれば幸いである。

ハングアップや文書の破壊を防ぐためには、根本的な修正はできるだけ行わない、ということだ。たとえば、ページのフォーマットを変えてしまう、スタイルを変更する、などだ。この変更は、全体に及ぶものであるため、全体にわたって修正記録が行われる。修正前の状況と修正後の状況の乖離が大きな場合、何か問題になると考えられる。こういう場合は、いったん「修正履歴の記録」をオフにして、大きな変更を行ったら再度オンにすればいい。厳密な意味での修正履歴とは言えなくなるが、こういう機能はそもそも細かな修正を把握したいためのものだ。ツールバーのボタンでも操作できるし、Ctrl+Shift+Eでも切り替えられる。

普段は、修正内容の表示を切っておく。つまり、「最終版」の表示として、変更箇所、コメントの表示は行わないようにしておく。これで、動作速度は向上する。単に記録するだけなら、普段の表示は不要のはずだ。また、削除、挿入、書式の変更など、表示する変更の種類を切り替えることもできるので、最小限の情報を表示するだけにしておくとか、工夫できる。

さらに、ページレイアウト時において、吹き出しを使わない、引き出し線も使わない、などとすれば速度は上がるだろう。見てくれは、だんだんとシンプルになるが、私などはこっちの方が好みだ。安全性にも一役買うように違いない(ような気がする)。

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