主のいない水槽

我が家には小さな水槽があって、そこには長い間「ヤマトヌマエビ」の名無し君が住んでいたのであった。つぶらな瞳と愛嬌のある動きで人気者だったのだが、ある朝見ると、赤くなり、動かなくなっていたのであった。

今年もお世話になりました―エビ

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このエビ、少なくともふた冬越しているし、他の生き物をすべて駆逐して、最終的にはひとり住まいをエンジョイしていた。藻を入れれば食べてしまうし(写真参照)、他の生き物も食べてしまう。何しろ、藻にくっついてきたタニシも食べてしまう。殻を抱えて、中身を食べているのを目撃したときは、少々驚いた。

前の晩も、藻にしがみついて脚をシャカシャカやっていたので、ビデオに撮ってYouTubeにでも投稿してやろうかと思ったくらいだ。思えばそれが知らせだったのか、翌朝には帰らぬ人、いや帰らぬエビとなっていた。

遺体は、丁重に土に還した。

主のいなくなった水槽は、今はポンプなどが撤去されて水草だけが残っている。ほかの生き物を今さら入れる気にもならないし、しばらくはこのままで、ゆくゆくは水中植物園のようにでもしようか?などと考えているところだ。

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