辛いもの探検隊―火鍋屋の火鍋定食(1)

「辛いもの探検隊」なるものがいつの間にか結成されたのか、そのメンバーであるN氏と急に思い立って赤坂(東京都港区)の「火鍋屋」でランチということになった。私が辛いものが好きなのは、このブログの他の記事でもおわかりであろうが、できればオフに堪能したいという気持ちがあった。オン(仕事中)に辛いものを食べるということは、その後の勤務時間を棒に振るか、あるいは有意義に過ごせるかの分かれ目になる。とはいえ、まずは味わうことが肝要と、雨の中、赤坂に出向いたのであった。

いきなり道に迷ったが、なんとか待ち合わせ場所に辿り着くことができた。待たせてしまったようだ。この場を借りてお詫びを。

http://r.gnavi.co.jp/g744600/menu2.htm
http://r.tabelog.com/tokyo/A1308/A130801/13021448/

入口には、唐辛子を模したオブジェがかかり、恐怖心を煽る。

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店の名前は「火鍋屋」で、四川料理のお店である。名前からしていかにも熱そうであるが、「火鍋」とは辛い鍋の呼称で、別に鍋が火を噴いているわけではない(とはいえ、そのように見えるあたりが、あながち間違ってはいない)。お店は、東京メトロ千代田線赤坂駅の出口そばにある。TBS(東京放送)の足下だ。

「火鍋屋」赤坂本店は、「押せば命の泉湧く~」で有名な浪越徳治郎先生(正確にはその親族?)の事務所と同じビルの5Fにある。お店は明るい。窓際に面した席もあり、赤坂の街をを眺めながら食事を楽しむことができる。私の知っている中華料理の店は、地下にあるか、窓がないか、あまり明るいイメージはないので、これは意外であった。

席に着くと、お冷やとおしぼり(布)が出てくる。最近、ランチでおしぼりを出すところはなくなったよなぁ、しかも布タイプの袋入りだぜ、と思いつつ、手を拭く。顔まで拭かないのがミソである。顔を拭くためのタオルは、別に持参した。そう、備えだけは万全なのだ。

注文を取りに、お店の人が来る。N氏が「決まったら呼びます」といくら言っても通じない。このあたりはしようがあるまい(南方系?)。仕方ないので、お店の名前にもなっている「火鍋豚肉定食」を速攻で注文する。私は、豚肉が好きなので、牛も海鮮も排除して、豚さ。ホルモンには、ちょっと心が動いた。ところで、辛さのグレードが5段階あり、「白湯」「ピリ辛」「普通」「かなり辛」「激辛」となっている。もちろん、「激辛」を注文する。というのはウソで、ヘタレの私は「普通」で様子を見ることにしたのであった。ちなみに、同行者のN氏は「四川風担々麺大盛り」である。え?「火鍋」じゃないの?と聞いたら、それは前にも食べたので、別のものにしてみたということだ。あとでお互いに味見することになっている。

ちなみにこの「担々麺」の写真は撮り忘れた。N氏の「とります?」を「取ります?」と勘違いしてNoとしてしまったのだが、実の意味は「撮ります?」だったのだ。日本語は深い。そしてスマン。なので、担々麺については後日リベンジを果たすことにした。

さて、注文してしまったら落ち着くので店内を眺めてみる。2時にもなっているのに、けっこうお客が多い。さすがTBSのお膝元といったところだろうか?マスコミ関係者のようないかにも腰の軽そうな(ひどいこと書いているな、我ながら)面々が多い。端から見れば、私たちも同じに見えるのだろうか?

しばらくすると、定食の方が運ばれてきた。と言っても、肝心の鍋抜きだ。でも比較的落ち着いているこの時点で、冷製に、違った冷静に鍋以外の陣容をチェックしておこう。まずは「白飯」。定食というからには、これは欠かせない。次に「生卵」。正直、これは意外であった。溶き卵にして、すき焼き風にして食べるとマイルドな上にコクが出てよいようだ。さらに「湯がき野菜」。これは辛くない。ほっと一息、辛いものに挟まれたオアシスというところだろうか。最後はデザートである。鍋は、熱いまま食べれるように、燃料付きである。何という心遣いであろうか。

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いよいよ鍋が運ばれてくる。台に乗せられ、点火される。大量の赤いオイル、これはラー油ではない。唐辛子をはじめとする香辛料のエキスである。これの多い少ないで、鍋のグレードが決まるのだ。思ったより具だくさんで圧倒される。果たしてこれを完食できるのだろうか、と不安になる。「大丈夫でしょ。」とN氏。食うのは俺だから!でも豚バラ肉がうまそうだ。

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すでに卵は溶いた。これから取り組むのである。一瞬の緊張のうちに、宴は始まるのであった。

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まずは一口、「うむ、これは辛い。」「いや、たいしたことないかも。」で、二口目は卵につけて、「うん、けっこうマイルド。やっぱり卵だね。」とか言いながらご飯も食す。実は、このタイミングでN氏の担々麺も来たので、少し分けてもらう。もちろん、こっちの鍋からも、N氏の方に進む。担々麺、うまいね。あまり辛くないね?などと話をしている先に、N氏が汗まみれになる。これは結構来ているかも知れない、と思い、自分の獲物に取り組む。

食べ進むにつれて、汗が噴き出す。やはり、タオルを持ってきたのは正解であった。実は、もうおしぼりで拭いていた。顔を拭いてはいかんのでは?いや、もうそんな事態ではない。私は来るべき危機に備えて、万全の体勢を採った。だがそれも無意味だった。

何とか完食。キクラゲが大きい、野菜もたっぷり、満足である。春雨も入っており、おなか満腹に貢献する。ご飯はおかわり自由だそう(そういえば皆、2杯、3杯とおかわりしていた)だが、小食の私はパス。デザートまで食べ終えてほっと一息。あれほどかいていた汗は、すーっと引いていく。心なしか、運動したあとの爽快感のようなものに似ている。この「火鍋」には漢方薬の材料となる香辛料もたくさん入っているとかで、そのせいかと思う。花山椒の、辛みのある実が鍋の底に残っている。うっかり噛むと、かなり辛い。

今まで書いてなかったが、これで850円、割引チケットを使えば800円である。800円で本格鍋、ご飯おかわりし放題、しかもおしぼりまで付く。安い。世の中の飲食店の皆さんは、よく見習って下さい。

というわけで、初回のチャレンジは終わった。余裕の出てきたところで、さらに辛い方向に進むのか、へたれて「八宝菜定食」とかいう軟派な方向に進むのか。次回のレポートが待たれるところである。え?次回はタイ?本当ですか?

コメント

  1. 野の花 より:

    期待と恐怖と探究心で食べる辛い食事はおいしかったですか?私はダメですね(笑)。読んでるだけで舌がピリピリしそう。汗を掻き掻き・・・なぜそこまでして?

  2. N より:

    金曜は楽しかった!
    「辛い辛い」と言いながらも終始、
    普段と変わらぬクールな表情。
    休日ならば激辛も楽しめそうですね!
    しかし…カプサイシン効果は凄い!
    まだ体の芯が暖かい気がする。
    次はタイ料理ですか。…えっ!ホント?

  3. なおさん より:

    野の花さん、
    心配ありがとうございます。
    この世界のことは、わかる人にしかわからないといいますか…。
    お店が存続できているのも、同好の士がたくさんいるからで…。
    いちどやってみて下さい、やみつきになりますよ。

  4. なおさん より:

    N氏ですか?
    私自身は相当てんぱっていましたが、いつもと変わらないクールでハンサムなナイスガイのままでしたか?
    また行ってみたい、と思わせるのが、こういった料理のすごいところでしょうな。
    では、カンボジア料理にでも。

  5. 野の花 より:

    そうですね。確かに・・・。
    今気がついたのですが、辛い(からい)という字は「つらい」とも読むのですね。随分辛い思いをされた完食、ご苦労様でした(笑)。そして、挑戦者たちは次なる辛い料理へと向かうのですね。

  6. N より:

    クールでハンサムなナイスガイのセクスィーでした(笑
    ベタでスミマセンが…
    「辛」に「一」を足すと「幸」となります(^^)…
    辛い「一本道」でも皆で進めば「幸」に辿り着くさ!たぶん!
    タイ、カンボジア…先は長そうですね。

  7. なおさん より:

    野の花さん、
    マラソンみたいなもんでしょう、あれだって端から見れば辛そうです。
    でも走っている当人は、辛さの向こうにある幸を見ているんですよ。
    それでいいじゃないですか!

  8. なおさん より:

    N氏、ナイスフォロー。ってさっそく使ってしまいましたが。「しぇくしぃ」まで付いてきましたか、光栄ですな。そんなことを言われたのは学生時代に横国大の女の子以来ですわ。って主題にまったく関係ないですな。

  9. 野の花 より:

    Nさん、なおさん、納得しました。
    では、どこの国のお料理になるのか存じませんが、次回を楽しみにさせていただきます。

  10. なおさん より:

    野の花さん、
    ここがこんなに伸びるとは思いませんでした。
    次も張り切って辛いものレポートするぞ!(←バカ)

  11. N より:

    生暖かい目で見守って下さる野の花さん、
    コメはせずとも目を通して下さった1億3千万人の方々
    皆仲間、同じキャラバンのアドベンチャー…。
    とても心強いっすね、なおさん!
    と言いつつスイーツなぞへ…

  12. 野の花 より:

    Nさん、生暖かい目、とても言い得ているかも!と気に入りました。ありがとうございます。なおさん、生暖かい目で、これからも読ませていただきますね。

  13. なおさん より:

    野の花さん、
    ぜひ、「生暖かい目」で見守って下さいませ!