脇が甘い

久しぶりの「つぶやき」カテゴリです。とはいえ、つぶやきというのは一言、二言、ぼそっと口にするのがそうで(Twitterがそう?)、長文をだらだら書くのはもはやつぶやきではありませんが…。ところで、最近、身近で起こったことと、私の住む神奈川県選出の国会議員の行動に、決定的な共通項があることに気付きました。要は、「脇が甘い」、です。

最初に、その国会議員の行動とをおおまかに書いておきましょう。ひとつ断っておきますが、私はその議員を敵視して攻撃するつもりはありません。あくまでも事例として引っ張っているだけですので、誤解のないように。

その議員、ギリシャ危機の視察ということで、他の国会議員と一緒に、欧州の4カ国を回りました(そんなもの視察してどうなの?という素朴な疑問は置いておいて)。その際、先に欧州入りしていたご自分の家族(妻と子ども)と合流し、途中行動を一緒にしながら(観光?)、公務もこなしていたというものです。

家族と行動したのは、公務外の時間であり、公務には支障がない、家族のためには公費はいっさい出ていない、ということで問題ではないとされているようですが、果たしてそうでしょうか?この議員さんは、ご自分が国会議員であるという自覚が薄いのではないでしょうか?

いやしくも国会議員であれば、それが公務であれば、普通の個人がプライベートで旅行に出るのとは違うはずです。当然、現地の大使や職員はそのために働くはずです。無関係とはいえ、議員の家族に気を遣わずに済むことなど、ありえません。

また、何かの危機にさらされないとも限りません。万が一、ご家族が犯罪組織の手にかかるようなことがあったらどうするのでしょうか?そんなことはあり得ない、ただの視察だし、というのはあまりに極楽とんぼ的な発想でしょう。そういったリスクがある、と思って行動するのが当然です。

要は、いくら切り分けているとは言っても、実際はそんなことにはなっていない、ということなんです。ご自分の立場をわきまえたら、一般の人よりはるかに厳しいレベルで対処しなければならない、そういうことなんです。それをわかっていれば、今回のような行動にはとてもならないと。

我々一介のサラリーマンでも、出張時の公私混同は御法度、とされています。たとえば、出張先でついでに遊ぼうとか、帰りに実家に寄ろうとか、現地のお土産を買って帰ろうとか、そういうことです。そこまで厳しくなくていいじゃないの?というのが一般的ですが、要は仕事の場に余計なものは持ち込まない、ということを高いレベルで要求しているという話です。

で、身近な話に戻します。ある会社で、ある高い役職にある人が、その職権を利用してけしからぬ行動に出ました。その行動はおおっぴらになったので、会社から然るべき懲罰が加えられましたが、一般の役職者であればそこまで厳しい対処にならなかったと、私は思っています。

つまり、ある職域に権限や職能を持った人物であれば、その領域に関しては他の人よりも厳しい基準でもって事に当たらなければならない、ということだと思います。経理担当者は、職場の私的な会話でもお金の話をしてはなりません。人事担当者は、同様に個人情報に属することを軽々しく口にしてはならない、そういうことです。

そういう意味では、きちんと切り分けているから問題ない、時間も、お金も。という発想には、職業人として必要な見識が決定的に欠けていると思えます。選挙区こそ違えども同じ県民として残念であると同時に、ちょっと怖い感じもします。一事が万事、そういうことではないでしょうか?

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