【本】意外な発見の「猫背は治る」—小池義孝

あまりこの手の本を読むことはないのですが、業務上手に入れ、ざくっと読んでみましたところ、意外に思うところがあったので記事にしてみることにしました。自由国民社発行、2月の刊行で16万部(この記事の執筆時点)というのですから、売れていますよね。

ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」
ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」

タイトルは「猫背は治る」ですが、実際にはそれは一部で、体をよくしよう、心をよくしよう、というコンセプトで書かれている本です。

著者の小池義孝さんは、気功師ということになっています。失礼ながら、お名前は存じませんし、あまり露出の多い方ではないようです。それでも16万部を売るこの本の価値とは何でしょうか。

気功というと、私などはちょっと胡散臭いものを感じてしまうのですが、それはさておき、中身は精神論や気功の話ではなく、多少の解剖学的な見地を加えた、理屈っぽい話になっています。

冒頭部には、(1)呼吸が深くなり、(2)猫背が治り、(3)腕力が上がり、(4)早く歩けるようになる、とあります。私は猫背という自覚も指摘もないのですが、(1)(3)(4)はふだんトレーニングをしている人間からは魅力的です。

人は緊張やストレスでついつい呼吸が浅くなり、呼吸が浅くなることで悪いことが起きるというのが(1)の話。だから呼吸を深くすればいいのだと聞くと、またもや胡散臭さを感じますね。ところがイラストで骨格の絵を出し、肺をイメージさせて、腹式呼吸で骨がどう動いて肺が膨らむかを意識させることがここのテーマです。

私も、長い間呼吸については疑問を持っていて、どうも深く息を吸い込んでもしっかり呼吸できていないのではないかと思ってきました。しかし、意識して深い呼吸を、肺が膨らむ、骨が動くといったイメージで行うことで、階段の上りや重い荷物を持っての移動でも、呼吸や心拍数の変化が小さくなったような気がします。

ただ、私の場合は「すぐにその気になる」ので、気のせいといわれればそれまでかもしれません。ただ、深い呼吸によって、今まで使っていなかった筋肉を使っているような気がします。また、肺の隅々まで空気が行き渡っている気も。

(3)の腕力の話も、要は腕の一部である肩胛骨を上手に使えとか、筋トレをやっている人間からは説得力のあるものです。背中の筋肉を主に使って、腕でウエイトを上げ下げするトレーニングがありますが、下手な人は腕の力だけで行うので、すぐに腕が疲れて回数が稼げないし、重いウエイトも上がりません。しかし肩胛骨周辺を意識して、そこの力を借りることで、驚くほど楽に重いウエイトを何回も上下させることができます。要は、どこに力点を置くかということです。

(4)も同じようなものです。足だけで早く歩こうとすれば、おかしな歩き方になる。足は実際には背骨に筋肉で繋がっており、そこを意識して働かせることで、自然に力強く早く歩けるようになる、そんな理屈です。

読んで、知る、ということから、読んで気付いたことをすぐに実践することができるのが、この本の意義でしょう。何しろ、道具もいらないし、特別なトレーニングもいりません。日々の行動で、すぐに実践できます。

肝心の猫背の話は、あまり興味を持って読まなかったので忘れてしまいました(ヲイ)。もし気になる人がいましたら、チラ見でも見てほしいような感じの本です。

コメント

  1. 筋トレは回数を増やしても意味がない

    1 :番組の途中ですがアフィサイトへの転載は禁止です:2012/06/14(木) 09:50:19.84 ID:ppQyWLpM0 ?2BP(1000)筋トレは回数を増やしても意味がないhttp://nikkan-spa.jp/wp-content/uploads/2012/04/CL2_120424…