【コミック】新・鉄子の旅4—ほあしかのこ

「新・鉄子の旅4」が発売されたということなので、購入してみました。今回のテーマは、ほぼ「震災」です。オビにも、「被災地へ」というコピーがはっきり。カバーのイラストも、いつものノリのよいものとは一転して子どもが中心。果たしてこの子らは?

新・鉄子の旅 4 (IKKI COMIX)
新・鉄子の旅 4 (IKKI COMIX)

この4巻は、はっきり言って重いです、ちょっと。テーマが「震災」。異例の、編集者カミムラ氏によるまえがきもあります。あとがきも。もともとは、第3巻目のいすみ鉄道社長の進言によってはじまったのがこの4巻でしょう。

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本誌をリアルタイムで読んでいないので、今のタイミングでこのお話というのはちょっとずれているかもしれません。しかし、今読んでこそ思うこと、そういうものがあると感じさせてくれる一冊です。

三陸鉄道、石巻、ひたちなか海浜鉄道をめぐる旅。そして銚子電鉄、青森・長野の廃止決定路線を巡る旅、それらがメインです。

三陸鉄道。大きなダメージ。でも、人的被害はなくてよかった。でも復旧費用が100億円単位とは。こういうところに復興税の予算を投入して下さい。

石巻。津波で亡くなったテツ少年と、その家族を中心に。読んで私は泣けてきました。でもなんか、希望を感じさせるお話でした。カバーの子供たちは、亡くなった子とその弟さんかなぁ。

締めくくりは、ホアシ、西の街からですね。私は震災地に訪れてはいませんが、一度震災地に訪れて自分の街に帰ると、こんなことでいいんだろうか?という気持ちはよくわかります。

でも、震災直後に皆がいろんなことを自粛して、却って経済的に停滞するような事態に陥るよりは、経済活動を盛り上げた方が被災地のためにはなる、そういうことを考えた方がよいでのはというのはそのとおりです。

この作品、今までのノリとは違い、スタッフ皆さんの考えとか葛藤とか、いろいろ伝わってくるものがあって、違う意味で楽しめた作品でした。

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