たまプラ日記―塾通い

私は帰宅が午後10時をあたりを中心に早くなったり遅くなったりという仕事をしている。
まぁだいたいそのころに駅に着くのだが、目立つのが小学生と思われる子供達の姿である。
駅を中心に、歩道、コンビニエンスストア、いろいろなところに、たいていは数人の集団でいる。
こんな風景は私がたまプラに引っ越してきた10年以上前から見られたのだが、そのころ不思議に思って妻に尋ねたことがある。

たまプラ=横浜市青葉区、東急田園都市線沿線のとある地域の名称。

「なんでこんな時間に小学生がうろうろしてるんだ?」

するとすぐ切り返してきた。

「学習塾に決まっているじゃない。」

学習塾ぅ?なんで塾なんかにこんな時間までいるんだ?

「中学受験よ。」

中学受験?中学に入るのに試験があるのか?

「私立よ私立。」

私立中学。少なくとも中学校までには公立で当たり前と思っていた私にとって、それは非常に耳慣れない言葉であった。

「私立中学にわざわざ入れるのか?」
「そこからエスカレーターでも狙うのか?」(疎い私でもエスカレーターの概念はある)
「一流どころの大学に入ってエリートコースを歩むわけだ。」
「よくやるねぇ。」

とまくしたてる私を見て、妻は言った。

「人ごとじゃないわよ。」

人ごとじゃないってことは、ウチの子らにもいずれ来るってことか?
俺はそんなにしてまで私立なんか入れるつもりないぜ。

「でもねぇ、公立はねぇ。」

公立じゃいかんのか?公立だってできる奴はできるし、できない奴は私立でもできん。
ちなみに私は小学校以降一貫して国公立である(幼稚園は地元に公立がなかったのでやむなく私立だったが)。

「公立は柄が悪くて。」

柄が悪い?悪かったな。確かに出身中学は柄が悪くて有名だったよ。
でも柄が悪いくらいで私立かね?

「やっぱり子供を行かせて安心できるようなところじゃないと。」

知っての通り、公立中学というのは該当学区に住んでいるとか正当な理由さえあれば、年齢さえ達すれば誰でも入学できる。
まぁこの誰でもってのが問題なわけで、頭のいい奴悪い奴、スポーツのできる奴できない奴、性格のいい奴悪い奴、キリがないが容姿のいい奴悪い奴という具合に、いろんな奴が集まってくる。
中には質の悪い奴も出てくる。今はあまりそんな呼び方はしないが、いわゆる不良という奴だ。不良についてわざわざ説明なんかいらないだろうが、要するに客観的に見てやっかいな奴ららしい。
私立中学に進ませる親の心理としては、できるだけこういう人種から子供を遠ざけて、平和な学園生活を送らせたいらしい。
わからんでもないが、果たしてそれが子供のためになるのかね?まぁ、動機がそういう親心から出ているのであれば、それはそれで認めよう。

「わざわざ私立中学に入れたという実績もあるのよ。」

いかんいかん、会話は続いていたのだった。
冒頭では駅のことを書いたが、その学習塾とやらに近付くと異様に自家用車と母親らしき人間が多く目につくようになってくる。どうやらお迎えらしい。
学習塾ならどこでもいいというわけではないらしい。それなりに実績を出しているところが人気になるらしい。ま、それは当然だろう。
そんなところが自宅に近くにあるとは限らないから、電車とか車がその通う手段になるわけだ。ここでいう自家用車と母親は、完全な足である。
自家用車もよく見ると外国車をはじめ3ナンバーの車が異様に多い。わざわざ名を挙げる必要もないだろうがいわゆる高級外車というのもわんさかある。

「金持ちなんだねぇ。」

外車=金持ちという図式がまだ頭を支配している私にとっては当然の感想だった。
でもこのへんじゃ別に外車なんか珍しくないし、3ナンバーも普通という。スーパーなんかの駐車場も、3ナンバーが楽々止められるようなスペースをとっているそうだ。

「月謝もけっこうかかるだろうに、よくそんな金があるねぇ。」

塾=高い月謝=裕福な家庭という図式がある私には...(略)。

「だからお母さんがパートに出るのよ。
 教育費はパートで稼いだ部分から捻出するの。」

パートから費用を捻出するというのは秘密らしい。
どうやら、最近問題のお受験の延長に考え方があるようだ。
子供が有名私立中学に入るということは、その子供が試験を突破するほど優秀であり、またその学費を捻出できる家計があり、また学校側の眼鏡にかなう条件が満たされていると言うことである。
最後の条件というのは、両親の最終学歴や勤め先、果ては家系あたりまで行ってしまうらしい。
要するに世間から見て良くできた家庭というのを実証できると言うことか。

「それって単なる見栄じゃないのか?」
「見栄じゃないわよ。
 子供に少しでもいい教育をと思うのは親として当然じゃない。」

しかし方法が間違ってないか?
まぁ、ここまで書くと意外とすそ野の広い問題であるような気がするので、ここに書くのはここまでとする(「ここ」が多いね)。
ちなみに午後10時といえばウチの子らはもうぐっすりだ。(もっと早く帰ってやれよ)

この記事は、サイト「SUPER LABORATORY」(閉鎖中)の「三文文士の部屋」に投稿したものを、自分のブログに再投稿したものです。なつかして投稿しました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする