お客の気持ちが離れるときとは?

かなり前の4月頃の話をひとつ。足繁く通っていたお客の気持ちが離れるときとは、どのようなときなのだろうか?

気温もコンスタントに20度を超えるようになってきた。もういい加減いいだろうということで、冬物をクリーニングに出しに行ったのだが…。いつも使っているクリーニング店。実は最近、向かい側に新しいクリーニング店ができたのだ(系列は違う)。

これはまた、どちらかが撤退する羽目になるぞ、過当競争だ、不毛だなぁ…。と思いつつも、特に変える理由もないので、いつものクリニーング屋に出しに行ったのだ。

しかし、ここ、もうやめようかという気になった。それは…。

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(写真と文章には関係はありません)

今時、クリーニングの品質に大きな差が出るわけでもない。店舗から預かった衣類を引き取り、夕方とか翌日に戻してくれる業者がいるので、事実上の受付と倉庫だと思っている。もちろん、自分のところでやっているところもあるだろうが、特別扱いのもののみのようだ。

とすると、店を選ぶ基準は、立地と価格などということになる。近接した店なら、立地は似たようなものだ。価格も、片方が50% OFFとかやれば、もう片方も追従する。冬物半額とかやれば、同じ。ワイシャツ100円とか、それも同じ。要は、差別化しにくいのだ。

とすると、あとは接客が考えられる。今回、これがムムムだった。

今までいた店員さんがいなくなっていて初めての人(たち)だったのだが。まぁいろいろあって、普段はお店の対応にあまりイラつかないブログ主と連れ合いでもイラつくほどの対応だったのだが、決め手は客を品定めした、というところだろうか。

そのとき、店員は2人いたが、1人はメインの接客、もう1人は傍で何かの整理をしていた。お客は我々を含めて2組。もう1組の人は細かくいろんなものを持ち込んだばかりか、あれこれ質問したり、ああだこうだとなかなか終わらない。ちょっといらついてきたが、我々が待っている間、もう1人はこちらをちらっと見ただけであった。まぁレジは1台だし、やることもあるようなら仕方ないよな、とそのときは思ったのだが…。

我々の番になり、あとから入ってきたそのセレブ風夫婦は、輪っかが4つのエンブレムを持つ高級SUVを店の脇に乗り付け、大量のスーツを運び込んできた。それを見て、何かの整理をしていたらしい店員は即座に、「いらっしゃいませ。スーツですね?」ときたもんだ。なんだよ、対応できるのかよ?と思ってしまうよ、これは。

レジがふさがっていたって、持ち込まれた衣服のチェックや仕訳ぐらいはできる。これを済ませておけば、レジの順番になったときにも、スピーディに対応できる。まぁ、そんなことを期待したのだが…。

そりゃあさ、こっちはダウンとかコートとかジャケットとかパンツとか、安物ばかりだよ。しかも半額セールの対象ばっかりだよ。身なりもジーンズにTシャツといういでたちだよ。しかしここまで露骨にやられると、さすがに気の長い連れ合いも「こういうのだと、変えようかな?と思っちゃうよね。」とこぼしたのだ。同じことを考えていたので、「そうだよなぁ。」と言うしかなかった。

どこかで書いた気がするが、チェーン店の蕎麦屋さんや丼物屋さんも、出るものは基本的に同じだが、どうせなら気持ち良く食事をしたいので、店はやはり選ぶ。ちょっとくらい遠くても、きれいで客あしらいのよい店舗を選ぶのだ。

振り返って、自分の商売はどうかと考える。同じようなものが出ていて、果たして選ばれない立場になってしまうことも十分にありえる。そういったときに何がまずかったのか、考える奇貨としたいと思ったのであった。

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