読んでみた記「孤独のグルメ2」久住昌之・谷口ジロー

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18年ぶりですよ、18年。「孤独のグルメ」は初版本を保持していますが、いやぁ18年も経ったんですね。でも色褪せない魅力、これってなんなんでしょうか?

そうそう、ドラマ化されていますが、キャスティングに不満ありで、まったく関心がありません。あしからず。

言っちゃえば、主人公の「井の頭五郎」は流行を売る雑貨商人、武道を嗜むマッチョで女優の元恋人あり、かっこいいはずなんだけどちょっと冴えない感じもするという微妙な男。

ちなみに下戸。これはこのお話を理解する重要な情報です。

その彼が、仕事で出向いた先に空腹に襲われて味わう一人メシが、このお話の根っこです。

いやぁ、お昼ご飯をしっかりたべて、お腹満足状態でゆっくり読もうと思ったんですが、そんな状況でも読んでいるとお腹がすくんですよ、これってグルメ本では重要ですよね?「ミ○ター味○子やグルメ漫画の元祖「美味○んぼ」を読んでもまったくその気にならなかったんですが、この作品はなる、なるんです!

描写はリアルなんですけど、それで食欲をもよおしたら、他にそんなもんいくらでもありますし、それこそミシュランのガイドでも読んでいればよろしいと思うんです。食欲を催す原因は、描写力だけじゃないと思うんです。これはやっぱり、井の頭五郎のリアクション、これに尽きます。

「ン。うまい」これだけじゃないか。と言われそうですが、そのリアクションを待っていた、ならばきっとうまいんだろう、食べてみたい、じゅるる、というわけです。しかも、たいていは一人前では足りず、もう一品頼んで満腹になってしまうという結末で、本人も「これではいかん」と自覚しているようなのですが、それは大目に見てやって欲しいと思うのです。

でも、知らない町で、知らない店に入るのって、かなり勇気がいりますよね?私などは、知った町でも、いや知ってしまったからこそ、知らない店には入れません。意外と、知らない町、知らない店の方が、なんの情報も先入観もなく、躊躇なく入れるのかもしれません。

今回も出てきた暴力沙汰(笑)もみのがせません。やっぱりこの人、昭和の人ですよ。でも残すのはいけない、残すのは。オーダーしたものは責任を持って食すのがせっかく作ってくれた人へのマナーというもの。などと、小うるさいことを考えながら読むのもこの作品の醍醐味。もう一作あるようなので、買ってみようかな?

あ、そうそう、五郎さん、少しおしゃべりになったし、表情も少し軽くなったんじゃない?

孤独のグルメ 【新装版】

孤独のグルメ2

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