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自由研究―セミの観察(1)

よい子のみんな、夏休みは楽しんでいるかな?宿題もきちんとやっているかな?おじさんも、みんなに負けずに自由研究をしているぞ。今日は、誰でもかんたんにできるセミの観察だ。


2011/8/12追記:他の「セミ羽化関連」まとめ記事を作成しました。

【日記】夏に人気の記事は…?

セミっていっても、樹にとまって鳴いている大人じゃないぞ。セミの幼虫さ。正確には、幼虫が成虫になるときの羽化の瞬間かな。大人のセミは知っていても、子供のセミが大人になるときというのは知らないんじゃないかな。その記録を発表する前に、セミの一生について簡単におさらいしておこう。

セミの卵は、木の幹に産み付けられる。セミの種類によって違うけど、その夏のうちに孵化する種類もあれば、一冬越して孵化する種類もある。いずれも、孵化した幼虫は、樹を降りて土の中に潜り込む。そして、樹の根っこから樹液を吸いつつ、脱皮を繰り返して土の中で何年か過ごす。土の中にいる期間も種類によって違うけど、5年から7年、長いのでは20年近くなる。

もうこれ以上大きくならないという幼虫になったら(これを終齢という)、この年の夏に地上に出てくる。出てくるのは、夕方から夜にかけてだ。そこで一晩かけて羽化し、成虫となって1週間から2週間を地上で過ごす。このとき結婚し、雌は卵を樹に産み付け、雄も雌も短い夏を終える。簡単に書けばこんな感じだ。

セミの子供を見つけるには、セミがたくさん鳴いているような場所(公園とか雑木林とか)に少し暗くなったくらいのときに行き、地面の上か、樹の根っこに近い部分を注意深く観察しよう。運がよければ、地面の上を這っている(近くにセミの子供の出てきた穴が見つかるかも?)か、樹をまさに上っている最中のセミの子供を見つけられるだろう。それをそっと捕まえて、観察しやすいように言えに持って帰ろう。このとき、樹にとまってじっとしているのは採って来ちゃダメだ。羽化寸前だから、動きも鈍くなっているし、何処かにとまらせようにもとまらせられない場合があるからね。

さて、捕まえてきた子供は、庭の適当な植木か、ベランダの観葉植物とか、とにかく枝や葉がしっかりしている樹木に捕まらせよう。あとは、自分で羽化しやすい場所を物色して歩くからね。このとき、下手に出だしはしない方がいいよ。セミも疲れちゃうし、もし落ちてしまったらまた樹につかまらせるくらいにしておこう。

どうやら落ち着く場所を見つけたようだ。

落ち着くと、動かなくなる。ここでしばらく見ていると、背中が膨らんで、中から白いものが出てくる。これが、成虫になる一歩手前の状態だ。

上半身が出てきた。よいしょ、よいしょ、という感じだ。

色が白いけど、どんな種類のセミかわかるかな?想像できないと思うけど、アブラゼミの羽化なんだ。アブラゼミって、こんな感じだ。

似ても似つかぬという感じだね。

もっと時間が経つと、しっぽのあたりまで出てくる。

落ちないのか、ちょっと不安になるね。

あまり出てきてしまうから、落ちてしまわないか不安になるけど、大丈夫。しっかり引っかかっているからね。心配だからといって、ちょっかいは出さないようにしよう。このときのセミの体はすごく柔らかいから、形が変わってしまったりするからね。

よしよし、だいぶ出てきたぞ。

もう完全に中ずり状態だけど、よく見るとたまに足が動いたり、胴体を腹筋運動みたいに曲げたりしようとしているはず。こうやって、起きあがろうとしているんだ。

全部出てきた。羽がまだ縮んでいるね。

えいや!って感じで起きあがるから、その瞬間が見れたら見て欲しいな。おじさんは、残念ながら見逃しちゃったけどね。ほんとに、一瞬なんだ。

羽が伸びきったところ。

どうだい、これがあの茶色いアブラゼミになるとは思えないだろう?全体に薄く緑がかった状態は、とてもアブラゼミとは思えない。このとき、お腹のあたりをよく見てみよう。ちょっと大きな丸いものが付いていれば、それは雄だ。これは、腹弁といってセミが鳴くときに使う器官なんだ。雌にはこれがないから、すぐに区別が付くよ。

実に神秘的。まさに真夏のショーという感じだね。

時間が経ってくると、色が変わり始める。こうなってくると、アブラゼミの面影が出てくるね。

ほのかに茶色くなってきた。

あとは、体が乾燥するにしたがって、茶色が濃くなり、最後には上の写真みたいになるんだ。朝になって見てみても、もうどこかへ飛んでいってしまっているよ。

どうだい、自由研究のテーマなんて身近なところにごろごろあるだろ?要は、いろんなものを面白いと思い、興味を持つことが大事なんだ。自由研究なんて面倒なんて思わずに、自分の好きなもの、興味の持てるものを探してみよう。きっと何か見つかるはずだよ!

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