ニュースによれば、ホンダ車に採用されていたスマートカードキーシステムが、9月から採用中止になっているということだね。このブログでも何度も取り上げてきたが、そっちは電池の問題で本質的なものではないが、技術的な問題で採用中止になっているということだ。個人的にはすごく先進的なシステムだと思ったが、万能ではないということか。
スマートカードキーシステムとは、厚さ数㎜のカードキーを持っていれば、ドアの施錠・解錠、エンジンのスタートなどが、無線によって自動的に行われるというものだ。カードキーをポケットなどに入れておけば、乗車時にドアノブを握れば解錠され、着座してスターターを回せばエンジンスタート、下車して少し離れれば勝手に施錠される。非常に便利で、慣れてしまえば通常の操作を忘れるほどだ。今回は、この便利さが仇になったらしい。
この一連の操作は無線による認証によって行われ、キーが車に対してどの位置にあるか、これがすごく重要らしい。着座せずにエンジンをスタートさせようとしてもできないし、車の中にいれば勝手に施錠されない。しかしこれも理想的な状況下のみらしく、実際にはうまくいかないケースも出てくるらしい。
ひとつは、携帯電話である。同じく電波を発する携帯電話が、このシステムに影響を与えて、勝手に施錠したりしてしまうらしい。この状態でいったん施錠されると、いくらキーを持っていても解除できないというのだから困ったものだ。
この問題も、従来の物理的なキーを持っていれば何の問題もないらしいが、トラブルに遭う人はカードキーのみしか保持していないことが多いらしい。個人的には、いくら便利でもいつ電池が切れたりトラブッたりするかも知れない電子機器のみに頼ってしまうことは、ちょっと信じられない。水に濡れたらどうなるかわからないし、ポケットなどに入れておいてうっかり折ってしまう可能性もある。
他社では、ここまで自動化せずに、ワンボタンなどのアクションを追加して安全にしているらしいが、そういうことなのだろうな。ホンダは、新しいステージを提供することにすごく喜びを感じる会社らしし、それはすごくよくわかる。だが、先に進みすぎていても、多くのユーザはついてこれない。技術的な本質を理解して、便利さも危険度も承知の上で使うユーザは、ほんの一部なのだ。
それを理解している他メーカーは、あえてワンアクションを追加している。これは理にかなっったことなのだろう。少し遅れて安全を優先する、その姿勢がバランスが取れていると思う。
個人的には、ばんばんやって欲しいですけどね。とすると、このシステムが制限なしに採用された珍しいニ車種のうちのひとつに乗っているということなんですね。いいかも。