ある人に、このアルバムにある「駅」という曲がいいと勧められたので、聴いてみた(正確には「スーベニール」というライブ盤)。もともと、竹内まりやが好きである私は、ぜひ聴いてみます状態だったのだが、久しく忘れていた。
私の知っているまりやさんは、どっちかというとデビュー後数年というあたりで、「セプテンバー」や「レモンライムの青い風」といった感じなのである。山下達郎と一緒になってからは、ほとんど遠ざかっていたと思ってよい。このアルバムも、トレンディドラマ(死語)のオープニング、いやエンディングテーマにふさわしいような曲がたくさんある。「シングル・アゲイン」「マンハッタン・キス」「告白」など。「駅」もそうだ。内容は、かなりアダルトである。
アルバム自体はベスト盤で、移籍後の曲をピックアップしており、達郎カラーも強い。当然、バックコーラスなどでご主人も参加している。「けんかをやめて」は、河合奈保子のために書いた曲で、本人がカバー(というのも変だ)。なんか、こう、しっとりした感じでよいのだ。「マージービートで唄わせて」「恋の嵐」「もう一度」などのポップなナンバーもよい。「リンダ」「本気でオンリーユー」などお得意のイングリッシュ。ナンバーも含まれている。
で、「駅」なのだ。地味めのイントロから始まる、ウエットな感じ。ある雨のラッシュ時の駅で偶然再会した男女を歌っている。再会といっても、女性が男性を見つけただけで、何か言葉を交わすところか、顔も会わせていないのである。久しく見つけた昔の男のことを見つめ、思い、昔を感じ、涙する。電車を降り、日常にまた紛れていく、そんな歌だ。肝は、「今わかるのは、愛していたのは私(女)だけということ」というあたりだろうか…。何でこんな歌を私に勧めたのか、わかったような気がする。なんてね!
実は、「駅」は何度も聴いているのだが、なぜか最後まで聴くことができない。途中でいろいろな記憶がフラッシュバックし、歌自体は聞こえなくなる。気が付けば、終わっている。そんな繰り返しだ。多分、こんな気持ちを私に伝えたかったのかな…とか思ってしまったが…。なんてね!
しばらく、はっとして聴き入ってしまいました。お勧めです!
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