お笑いタレントの何某が、何かいけないことをしでかして事情聴取を受けたらしいですね。それで所属事務所は解雇されるし、とうぜんコンビは解消(自然解消らしい)となるし、相棒は公然と泣きじゃくるし(人前で泣く男は信用できん)、いいところまったくなしといった感じでしたが、余波をくらってしまったのが、愛する欽ちゃんの社会人野球球団である。
欽ちゃんこと萩本欽一氏が、茨城県稲敷市をホームとして設立した社会人野球球団が、茨城ゴールデンゴールズ(GG)である。プロ出身者やその他の社会人から選手は構成され、全国大会のベスト8に残るなど実力のあるチームであった(その中に例の元芸人がいたのだ)。野球も楽しくやろうよ、という欽ちゃんらしいポリシーの下、さあこれからと皆が思っていた矢先に、この事件であった。
欽ちゃんは、泣く泣くチームの解散を発表したのだ。本当に泣いていた。
私は思った、「解散などしなくてもいいじゃないか、不祥事を起こした人間がたまたまプレーしていただけだ。悪いのはチームではなく、そいつなのだ。」と。所属事務所の解雇は当然だし、コンビ解消も当然だ。しかし、球団までが割を食う必要はない、と思った。同じように感じた人はたくさんいたのではないか、と思う。
それでも欽ちゃんは、続けても辞めても、みなに迷惑がかかる。つらいが、それでも辞める方を選択した。
私は思った、これが「責任をとる」ということだろう。不祥事を起こした者が一時でも内部にいた、そうである限りは組織は責任は取らなければならない。今回のようなパターンでは、責任をとらないという選択肢もあった。だが、責任をとる方を選んだ。責任をとるというのは、痛みを伴うものだ。よく、やりとげることが責任をとることだ、と居座る輩を見かけるが、その間が無報酬というわけではなく、しっかりともらうものはもらいながら、ほとぼりの冷めるのを待っている。これは、責任をとっているとは言えない。欽ちゃんは、チームが続けられない、という痛みを背負うことで責任をとった。
けじめを付けた、ということだろう。
でも欽ちゃんは、いつか本人が野球ができる状態になれば、また一緒にやると言っている。本人が責任を果たすまで、自らも責任を果たすのだ。すごく人情味があり、そして合理的な話でもある。こういう考え方ができる欽ちゃんは、やはりすごいと思うのだ。私は、責任をとらざるを得ない立場に立たされたら、どういう判断ができるのだろうか…?とマジで思った。