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瀬戸龍介さんとの出会い

実力があり評価されていながら、日本ではあまり知られていないミュージシャンに瀬戸龍介さんがいます。1945年生まれなので、もう60歳を超えているはずですが、エネルギッシュに活動を続けています。なぜこの人のことを書こうかと思ったかと言いますと、投稿当時40代の私が高校生時代(つまり80年ごろ)に彼の存在を知り、音楽、ラジオ番組と深く関わるにつれ彼の魅力を知り、友人を巻き込んでのファンとなっていたからです。その彼が最後のラジオ番組を終えてアメリカに再び渡ると聞いたときに、大学生になっていた私は次第に離れていきました。その後20年間、彼の名前を聞くことはあまりなかったのですが、ひょんなことから彼の書いた本、そしてアルバムもリリースされていることを知り、思わず何か書かずにはいられなくなったのです。

瀬戸龍介公式サイト: AMAN RYUSUKE SETO OFFICIAL WEB SITE

公式サイトがあったなんて、最近知りました。ひととおり目を通せば、瀬戸龍介さんがどんな人かわかると思います。

瀬戸龍介さんのことについては、この公式サイトを見てもらえればわかると思いますので、詳しく書くのを省略します。私の年代では、The New FrontiersやEASTでの活躍は知りません。おそらくは、日本に帰り、瀬戸龍介としての活動を始めたあたりが、多くの人とのの接点ではないでしょうか?

瀬戸龍介さんのシングル「Beautiful Morning」は、テレビCMを打つほどの鳴り物入りでリリースされました。このCMは、しっかりと録音したのを保存してあります(録画でないのが、時代ですねぇ)。「~Oh What a beautiful morning, oh what a beautiful sun…」というサビの部分と、ご本人によるタイトルの紹介という15秒のものです。当時、いかに力を入れていたかわかりますね。おわかりでしょうが、「Beautiful Morning」の歌詞はほとんど英語です。「ほとんど」と書いたのは、「ひふみ・ゆらゆら」というフレーズが一部にあるからです。この意味、わかりますか?

瀬戸龍介さんは、東京のラジオ局であるニッポン放送の平日深夜に、10分間のラジオ番組の枠を持っていました。キー局であるニッポン放送では深夜0時10分から、10分間の「快刀乱麻 龍介のひとりごと」が1年ほど続いていたのを覚えています。これも最終回はしっかりとエアチェックしました。玄米おにぎりに梅干しさん、三輪山のUFO話、懐かしいです。それで、この番組のオープニングは、上で書いたシングル「Beautiful Morning」のB面、「日の光 月の光」です。何とも難解な歌詞で、当時高校生だった私には「あ・や・わ」「あ・お・う・え・い」といった掛詞が実に謎で、その興味から瀬戸龍介さんに興味を持ったと言えると思います。ちなみに「龍介のひとりごと」は、そのまま瀬戸さんの本「新しき旅立ち」の副題にもなっています。さらに言えば、本題の方は名曲「新しき旅立ち」とまったく同じです。

新しき旅立ち(カバー画像出ません)

さらに、瀬戸龍介さんは同じくニッポン放送の深夜放送「オールナイトニッポン」第二部のパーソナリティを務めたこともありました。ちょうど、南こうせつさんの前になりますね。残念なことに、終盤は「ポップスベスト10」などという、瀬戸さんでなくてもいいようなコーナーをはめられていましたが、流暢な英語を話す瀬戸さんには、このコーナーが合っていたような気もしないでもありません。それでもちょっと不自然だな、と思ったことを覚えています。この最終回も、しっかりとエアチェックしました。この回では、「新しき旅立ち」を生で演奏、歌ってくれました。12弦ギターの醸し出すバックと力強い歌声は、今でもしっかりと思い出されます。「Feeling you on my shoulder, feeling you in my ear…」自らの五感で感じることの少なくなった今、むしろそうしようよと訴えかけているようにも聞こえます。

ラジオ番組から離れましょう。シングル「Beautiful Morning」の前には、「スサノオノミコト」というシングルがリリースされていました。このシングルのB面は「桃源郷」で、個人的にはこちらの方がずっとインパクトがあると感じていました。この2曲は、その後リリースされるアルバム「五六七」(これで「みろく」と読む)に収録されます。このアルバムは、実に衝撃的でした。瀬戸さんの奏でる12弦ギター、それにキーボード(シンセサイザー)、ベース、ドラムスといった楽器に加え、琵琶、和太鼓、尺八などの日本楽器で構成されています。「天女の森」には、あの白鳥英美子さんがボーカルで参加しています。実に美しい歌声です。圧巻は、「スサノオノミコト」でしょう。古事記にある素戔嗚尊伝説を語り調で展開する10分を超える大作ですが、和楽器を持ち込んだセッションがこれほどのものかと感動します。私は、このアルバムをテープにダビングするのに、メタルテープ(懐かしいな~)の中でも特級品の、ダイキャスト入りというものをわざわざ購入した覚えがあります。テープ1本で1000円近くしました。高校生には、破格の買い物です。でも、「間」が大事なこのアルバムを録るには、ヒスノイズが目立っては台無しと思ったのです。それほどのものでした。

個人的には、「五六七」のCD化を望んでいますが、それは叶えられていないようです。仕方ないので、テープからPCに取り込み、MP3にして聴いています。それでも、作品のダイナミズムは失われませんね。でも「五六七」で「ミロク」とは、少々強引な気もいたします。ちなみにアルバム「五六七」の最後には、「三六九」で「ミロク」という曲も収録されています。「ミロク」とは「弥勒」であり、50億年後に現れて世界を救うと言われている、それを表したものだそうです。

次に行ってみましょう。「華厳絵巻」実にあでやかなジャケットのアルバムでした。このアルバムの背景には、辻が花染め(アルバムジャケットに出てきます)の久保田一竹氏の公演があるようです。私は詳しくは知りませんが、この公演で使用された曲の一部がアルバムに編成され、リリースされたようです。このアルバムにも白鳥英美子さんがボーカルで参加し、そのほか細野晴臣、福沢もろなどのメンバーが参加しています。実にそうそうたるメンバーです。これは、聴いていただくしかないと言うしかありません。

現在は、AMAN RYUSUKE SETOとして活動していらっしゃるようです。ちなみにAMANとは、バリ島の地名であるアマンのことを指すらしいです。アマンとは、平和とか清々しいとか言う意味と言うことです。いかにも瀬戸さんらしいですが、それでもなんかちょっとらしくない、という感じもします。

とても書ききれませんが、これで瀬戸龍介さんに少しでも興味を持っていただける方が出てくれれば幸いです。ここまで書いただけで、「一二三」「三六九」「五六七」という三つの数字の組み合わせが三つも出てきます。数字の組み合わせには、何か神秘的なものを感じます。

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