今日の写真
雨の六本木西公園、ヤマボウシの白い花。
花の花粉を必死に食べるコアオハナムグリ。
年金記録5,000万件紛失に思うこと
正直、私らの世代ではまだ年金について切実な思いは抱いていない、と思うのです。それ故、年金について、そのシステム的なところまで踏み込んでは理解していない、これが正直なところでしょうか。
それでも、この紛失で思うことは、今のご時世にコンピュータで一元管理されていないのかということですね。まぁ、実際にはコンピュータで管理されていたと思うんですけど、個人を特定するものがあまりに曖昧だったんじゃないでしょうか?
このデータは住民票と連動しているのか、転居や異動をきちんと捕捉できるのか、それを考えると何だか危なっかしい話です。コンピュータを少しでもかじっていれば、「文字列」による識別ほど曖昧なものはありません。一意的に定まる数値なら、どのように比較しても序列ははっきりします。まさか、こんなこともやっていなかったのかとは思いたくはないのですが…。
そもそも、「年金手帳」なるものを渡されていますが、だからどうってこともないんですね。一年ごとに、年金保険料の支払い報告みたいなものが、生命保険会社などと同じように届けられてもいいわけです(経費はべらぼうにかかりますが)。
必要なものなら、保険料の未払いをきちんと督促して支払わせるというシステムがあってもいいはずだし、それもなしに加入期間不足で年金の支払いができません、というのもおかしな話です。まさか自分で支払い記録を持っている人なんてほとんどいないだろうし、サラリーマンなら会社任せだろうし、危ういシステムだと思うのです、今の年金システムは。
そもそも、今回の不祥事が起きても、どこもシステム的なところを詳細に報道しないし、スキャンダル的にばかり扱って、誰の責任だ、払うのか払わないのか、そういう話だけになっているのもおかしいと思うのですね。要は、正しい姿に持っていかなければならない、と思うのですが…。
現在の年金システムが抱える問題は何なのか、社会保険庁という組織には問題がないのか、国民の不安にはどう答えていくか、そういう議論が欠けています。こういうときは野党がしっかりすべきなのに、相変わらず鬼の首を取ったような勢いで、責任者追求とか、そんなことばっかりやっています。そもそも社会保険庁という組織の成り立ちから、メスを入れていくという気概はないのでしょうか。
私たちも不勉強じゃいけませんね。なんだかよくわからないうちにひどい目に遭っている、という状況だけは避けたいものです。