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いつまでもデブと思うなよ―岡田斗志男

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書 227) いつまでもデブと思うなよ―岡田斗志男

この本が売れているそうだ。実は、この本は読んでいないのだが、書評を読んでどんなことが書かれているかだいたいわかってしまった。「痩せたらこんなにいいことある!」といった感じの本なのだが、痩せるためのプロセスは実は変わったことは何もなく、摂取量を減らして消費量を上げるという、オーソドックスなものが一番と言うことを再認識する(ハズ)。

痩せたいと思ったら、まず「その日に食べたもの」をメモ帳などに記録することからはじめる。これは、自分の食事を客観視することで、「思いこみ」を排除するものだ。人間は、自分に都合の悪いことは過小評価し、都合のよいことを過大評価する傾向があるから、「そんなに食べてないのに」という思いこみを、まずこのリストで排除するのだ。

実は、こういうことはワインバーグの「スーパーエンジニアへの道」(共立出版)にも書かれている。私はこの本の初版本をかれこれ10年以上前に購入したが、肥満に関するエピソードといえば、「何も食べていないのに太る女性」というのがある。結局、その女性は自らは何も注文しないが、子供などの食べ物に手を出したりしているうちに、結果として大量に摂取してしまうのだが、本人にはまったくその認識はないのだ。Non-problem Syndrome(問題ない症候群)に罹れば、たとえ自明のことでも本人には問題が認識できないのだ。

スーパーエンジニアへの道―G.M.ワインバーグ・木村泉訳

自分がどれだけのものを食べているのかを知ったら、次はそれをカロリーに置き換えて、数値として客観化する。最近は、弁当屋の弁当、ファミレスのランチにもカロリー表示があるから、外食中心でもカロリー計算は比較的容易と思われる。そして、自分の標準摂取カロリーと照らし合わせて、多かったら減らすと言うことを繰り返す。非常に当たり前のことだが、もっとも理にかなっている。

だが、摂取量を減らすと言うことは、好きなものを食べることができない、いっぱい食べられない、といった我慢を強いられる。消費量を増やすと言っても、階段は上りたくないし、電車では座っていたい。そこにダイエット商法がつけ込む余地があるのだが、楽して実るものはなし、という格言(今作った)もあることだし、まじめに正攻法でやってみるのも、意外と清々しいものだと思う。

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