通勤時の車内広告で、小学生向け学習塾の広告があるのだが、そこには私立中学校の入試問題が掲示されている。手持ちぶさたなときには車内の暇つぶしに最適なので私も挑戦するのだが、これが意外と難問だったりする。おいおまえら、こんなの解かされてるのか?とか思いつつ、最近の小学生もたいへんだなぁ、と思う。で、こんな問題が出ていた。
食糧自給率を上げるには、「食べ残しを減らす」のがよい。
では、「食べ残しを減らす」となぜ食糧自給率が上がるのか答えよ。
といった趣旨の問題だったと記憶している。う~ん、これは単純に見えて難問である。折しも、農薬入り冷凍餃子の事件や、野菜や穀類の高騰が話題になっている今、こういうことをきちんと論理的に考えることは重要に違いない。
塾のHPに行けば回答が見られるらしいが、それでは面白くない。すぐに回答を求めてしまうのもよくない風潮だ。ここは、あたらないまでも自分で考えることにしてみたい(いい大人がえらそーに、である)。
まず、「食べ残しを減らす」の意味を考える。これは、食卓に出てきた、あるいは外食した、というときにとにかく目の前にあるものは残さずに胃袋に入れる、ということをまず思いつく。だが、これはもっと広く考えるべきで、店頭から廃棄を出さない、製造工程でも無駄を出さない、といったところまで含むべきだろう。「とにかく捨てるものを出さない」と考える。するとどうなるか。
これにはふたつの面がある。ひとつは、あらゆる食材、加工品をくまなく利用するということ。言うまでもなく、これはすばらしいことである。だが、これで「食糧自給率が上がる」になるのだろうか?消費している分は、有効に使われるか、捨てられるかにかかわらず、同じ量である。だから、これでは食糧自給率は上がらない。
もう一つの面とは、上記の延長線だが、仮に消費が一定でも、無駄なく摂取、利用することができれば、本来捨てられてしまうはずであったものが誰かの胃袋に収まったり、誰かのために加工食品として利用されると言うことになる。これはつまり、捨てられる分がないだけ、必要とされるものが少なくて済むのだ。これなら、食糧自給率のアップにつながりそうだ。
日本は、過半数に及ぶ食材を輸入に頼っている。裏を返せば、全体の所要量を減らせば、国内でまかなえる部分が大きくなると言うことだ。これが、「食糧自給率が上がる」に相当するのではないか?ちょっと強引な理屈のような気もするが、私の頭ではこのへんが限界だ。答えを知って教えてくれるよりは、同じライン上で意見を交わすのも面白いかも知れない。大事なのは、自分で考えることだ(ってまぁ、えらそーに)。