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こんにゃくゼリー騒動に思う

ここのところたびたび報道されている「こんにゃくゼリー」事件だが、さすがにこれってちょっと変じゃないの?と感じている。普段はあまりこの手のことを書かないのだが、黙っていてもアレなので、書いてしまうことにする。

事の発端は先月、兵庫県の1歳8ヶ月の子供がこんにゃくゼリー(正確には「マンナンライフ」社の「蒟蒻畑」)を喉に詰まらせて窒息死したことにある。冷凍したゼリーをそのまま小さい子供に食べさせるなど、いろいろな問題が包含された事件ではあったが、事件自体は痛ましいもので、事件を嘆く心情に異論を唱える気持ちは、もちろんない。だが、その後の政府の対応、報道の姿勢を見ると、???と思わざるを得ない。

今回、異様に映ったのは「消費者行政担当大臣」の「野田聖子」なる人物が同社の責任者を呼び出し、製造中止を暗に促したことだ。こんにゃくゼリーによる死亡事故は17件。17人も殺した商品を野放しにはしておけないとの理屈だ。この17人を多いととるか少ないととるかは主観による。だが、行政庁たるもの、主観で行動してよいはずがない。ところが、他の食品ではどうなのか、といった客観性を持った分析も何もなしに、17人という部分だけを強調した。これを言うなら、1年あたりでもっと事故になっている食品があるし、最近では商品の特性以前の話で問題になっているものがある。単に目立つからと言うことで、パフォーマンス的にスケープゴートとしてやり玉に挙げただけではないだろうか?

消費者は忘れてはない、農薬入り餃子事件を。偽装米流通事件を。最近では、メラミンなどの化学物質が混入した輸入食品の事件だ。これらについて行政庁は明快な決着をつけられるのだろうか?国内の小さな企業なら、ちょっとつついて言うことを聞かせたり、それを以てつぶしたりは訳ないことだ。だが政府内の身内の絡む事件、外国の絡む事件は、難易度が高いのだろう。そういったものから目をそらすために、とりあえずカンタンで目立つものから、といった発想があるのではと勘ぐってしまう。

わかりやすい政治は必要だが、パフォーマンスはいらないと思っている。真に解決すべき問題をクリアにして欲しいと思っている。報道する人たちも、真にさらすべきは何なのかをよく考えて欲しいものだ(本当はわかってやっているんだけれどもね)。

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