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辛いもの探検隊―蒙古タンメン中本

ごく身近な一部で、辛いものブームのようになっている。とても辛いソースについては、「死を招くソース」で取り上げたのでぜひ読んでみて欲しいのだが、話の流れで出てきたのが辛いカップ麺である。辛いカップ麺なんてたくさんあるじゃん!という声も聞こえてきそうだが、今回紹介したいのは結構な本格派だ。有名なラーメン店のものをカップ麺に焼き直したというお馴染みのスタイルで、セブン・イレブン(7&yホールディングス系)で販売されている。オリジナルは、これだ。

蒙古タンメン中本

詳しくはメニューなどを眺めて欲しいのだが、どれも辛くてうまそうだ。「北極ラーメン」というのは出血ものだが、カップ麺になっているのは中道(辛さ度5というやつ)ともいえて屋号にも含まれている「蒙古タンメン」だ。なぜ蒙古なんだろうね~などという疑問は上記のWebサイトで解決してもらうとして、今回のテーマはカップ麺の方だ。

普通この手のカップ麺はけっこう高いと相場が決まっているのだが、カップ麺「蒙古タンメン」はドンブリタイプではなく縦長のストレートタイプだ。その分値段は抑えめなのかも知れないが、170円ぐらいだった(ような気がする)。究極体験ができる対価としては高くはないだろう。私は、これを見つけ次第買い込み、2週間ほど寝かせておいた(寝かせれば美味しくなるわけではない、念のため)。要するにチャンスを窺っていたわけだが、連休中にそれは訪れた。特に用事もない日の昼食、こいつを試してやろうと思った。

作りかたは普通のカップ麺と変わらないが、上ぶたに乗せられている小袋に注意したい。これは「激辛オイル」である。これを仕上げにかけることで、辛みが倍増する。注意書きにも注意したい。同じようなことが「デスソース」にも書かれていたような気がするので、よほど危険なのだろう。読んでいるだけで汗がにじんでくる。

上ぶたを剥がすと、内側にも「蒙古タンメン」を主張する文字が。いかんいかん、どうも「中本」と見るとドリフのメンバーを連想してしまうのだが、あっちは「仲本」である。まったく関係ないが。白いのは豆腐、あとは挽肉やネギである。「タンメン」なので、キャベツ、キクラゲ、ニンジン等の野菜も豊富である。お湯を注いで3分待てば、できあがりだ。

上ぶたをすべて剥がし、できあがりの姿を拝む。何もしていないのに妙に形が整っているのは気のせいだろうか。ここに「激辛オイル」を投入する。だがここで「しまった!」である。オイルなしの状態を味見して、オイルありの状態と比べるべきであった。無念!だが楽しみをあとに残せたということで、このままオイルありで突き進む。オイルをかけてかき混ぜて、いよいよ食す。

いきなりむせこんだ!

カプサイシン特有の刺激が無防備な喉を襲う。こういうのには慣れているはずなのだが、これはなかなか手強そうだ。改めて気合いを入れ直して、取り組む。吸い込まないように用心しながら啜りこむという難易度の高いアクションをこなしながら、麺をとにかく口に入れる。

これは辛い!

辛いカップ麺といえば同じ日清の「とうがらし麺」あたりかと思っていたが、これはそれをはるかに凌駕する。さすがは名店の味を引き継いでいるということか。「辛」ラーメンよりも辛いだろう。辛い辛いと連発しながら食べているのでほかに何か言うことはないのかと聞かれるが、やはりそれ以外にはいいようがないのだ。豆腐が思ったより豆腐らしいとか、キャベツは「シーフード」と同じじゃね?とか思ったが、もはやそんなことはどうでもいいだろう。麺が普通すぎるのが、拍子抜けといえば拍子抜けである。

さて、量的にはたいしたことはないし、これで終わるわけにはいかない。麺を啜りながら、「これにご飯を入れたらどうなるか?」ということをずっと考えていた。その気持ちを察してか、食べはじめの段階でわきに「ご飯」がセットされた。なかなか絶妙なタイミングと言わざるを得まい。具をおかずにご飯を食べるという選択肢もあったが、ここはやはり「ぶっかけ」である。麺をひととおり食べ終わったあとで、スープをそのままご飯にぶっかける。

さすがにこれを写真で公開する勇気はない。何しろ、禁じ手なのだ、ぶっかけは。やりたいけどやってはいけない、でもやってみたい。え?何の話?もちろんラーメンスープをご飯にかけるという話だ。だが、このスープは絶対にご飯に合う。そういう思いは食べはじめから中盤を経て、終盤には確信に変わった。かけたい、かけたい、それだけの気持ちでとにかく麺を空ける(日清の麺担当の人、すいません)。そしてぶっかける。「あ~」という声が正面から聞こえる。ほっとけ!

あとは、さらさらとかっ込むのだが、食べれば食べるほど汗が噴き出る。あごからしたたるほどの汗は久しぶりだ。完食した時点では、着ていたシャツは汗のしみだらけである。これは、スープを食しないとどうしようもないものである。だが、スープが最も凶悪なのである。だがすべてを平らげた今、妙な満足感が全身を覆っている。やった、俺はやったんだ!(何を?)

というわけで、これにデスソースを投入などということは、決して考えてはいけないのであった。

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