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通勤電車はストレスがいっぱい(5)―謎の仕切りおばさん

通勤中のストレスを伝える、このシリーズも久しぶりだ。実はこの記事はけっこう前に書いたのだが、書いたままになっていたので、公開用に少し修正した。今回は、「謎の仕切りおばさん」の話だ。

立派なおじさんが、「おばさん」などと女性を呼んでいいのかという非難もあるだろうが、この場合は親愛の情を込めた「おばさん」ということで勘弁してもらいたい。そう、「緑のおばさん」「給食のおばさん」というのと同じであると思って欲しい。

その日の朝、私の乗った車両は比較的空いていて、ひととおり埋まった座席の前に、ちらほら乗客が立っている、というような状況であった。私の場合、あまり考えずに立ち位置を決めることが多いのだが、その日も適当な場所に立って雑誌など読み始めたのであった。乗車駅の次の駅で、その「仕切りおばさん」が乗ってきたのだが、そのおばさんは不自然なことに、他にいくらでも空きスペースがあるのに、私の隣にぴったりと付いたのである。

「ムムム、何だ!?」

と思ったが、こういうことは結構あるので、それ以上は追求せずに雑誌を読み続けたのである。しばらくして、停車した駅で私の目の前の席とそのおばさんの前の席が偶然空いたのである。その日、できれば座りたいモードだった私は、では遠慮なく座らせてもらおうかと思った矢先、そのおばさんは私を腕で遮り、こともあろうことにドアの脇に佇んでいた中年夫婦に声をかけ、

「あんたたち、座りなさい!」

との賜ったのである。

「中年夫婦」というというところがミソである。「老年夫婦」「子供連れ」ではない。ちなみに私のところも端から見れば「中年夫婦」だろうか?どうでもいいが。

その中年夫婦は、

「いえ、結構です、どうぞ。」

といったんは拒否したのだが、そのおばさんは

「あたしはすぐに降りるからいいの、あんたら座りなさい!」

と相変わらず私を遮ったまま続けたのである。

「じゃあ…。」

というわけでその中年夫婦はいそいそと座ったのだが、その間、私の存在はおばさんからも、中年夫婦からも無視されていたのであった。そのおばさんは、申告通りにすぐに降りていったが、残された私の立場はどうなるのか。

いえね、別にどうしても座りたいとか、そういうことじゃないんだ!自分がすぐに降りるなら、そのまま放っておけば座りたい人が座るだろ!ということで、世話好きの下町のおばさんがここまで出張してきたのかということで、無理矢理納得することにしたのであった。

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