今日から10月である。年度でいえば半年が終了したわけで、どのように折り返したかでこのあとの半年が決まろうというものだ。皆様は、どのように折り返されただろうか?
ところで、前の衆議院議員選挙からちょうど1ヶ月が経過した。この間、いろいろなことが起きた。ちょうど今日、日経平均株価が1万円を割り込んでしまった。また円・ドルレートも90円に何とかしがみついているという状態で、いつ90円を割るかわからない状況だ。これも、財務相の円高容認発言をはじめとした失策、いや失言と言ってもいいだろうが、このあたりに由来するのは間違いあるまい。すべてではないにしろ、マイナスの影響を与えてしまったことだけは間違いないと思っている。
そんな中、選択的夫婦別姓制を導入すべく民法を改正する法案を、千葉景子法相と福島瑞穂男女共同参画担当相が、法案成立に向けて来年の通常国会に提出するというのだ。もう、何を考えているのかわからない、といったところだろう。
昨日の「八ッ場ダム建設中止考」と同じく、これも政治問題だと思っている。そもそもこの話が出たのは1996年頃である。それから毎年の如く超党派野党による民法改正案が提出されているが、成立はしていない。だが、当時の野党が政権を取っている今、成立させるなら今しかないと踏んで、来年の参議院選挙までにケリを付けてしまおうと、急に動き出したと見るのが正しいだろう。
ここでは、夫婦別姓制のそのものについては議論しない。個人的な意見をいわせてもらえば、婚姻と同時に夫か妻のどちらかの姓を名乗ることのできる、現在の制度で問題ないと考えている。これが、明らかに夫の姓を名乗る、ということであれば問題もあるだろうが、選べるならば問題はない。夫婦が姓を別々に名乗る必要性が感じられない。
そもそも、夫婦別姓制にする法改正については、民主党は選挙前のマニフェストからは外していた。だが、毎年改正案を提出していたのは民主党であり、マニフェストからは外したからといって、党是であることは間違いない。マニフェストから外したのは、選挙前に余計な議論を呼びたくないという、悪い意味での配慮があったのだろう。だが、マニフェストにないことをやってはいけないという決まりもない。だから、今回の動きになったのだろうが、選挙民をバカにしていると思うのは私だけだろうか。
おおかた、二人の女性閣僚が、「ねぇねぇ。男どもだけに目立たせておかないで、私たちも何かやらない?」「そうよねぇ。どうせやるなら成果的に大きいのがいいわね。」「じゃ、あれやりましょうよ。やるなら今よ。」「そうね。そのとおりだわ。やりましょう、やりましょう。」とかいうやり取りがあったのかは知らないが、おおかたそんなところで話が起きたのだろう。
だが、この経済情勢で、日本は早く建て直しを図らなければならない状況で、急いで法案を成立させる必要性が薄いのは間違いないのである。他にもっとやることがあるだろう、と思っているのは私だけではないはずだ。昨日も書いたが、「国是」よりは「党是」、「党是」よりは「私欲」、そんな感じがする。大多数の国民にとって果たして必要なものなのか、オープンに議論すべきだ。
ところで、夫婦別姓というのは、お隣の韓国や、そのまたとなりの中国では当たり前の制度である(制度というわけではないが、そういうことになっている)。世界的に見れば、おのおのの文化の立ち位置でだいぶ異なっており、一概に「こうなっている」とはいいにくい。「ファミリー」としての名前を名乗るのが一般的な感じもするが、そうでもないような気がする。簡単に、これがベスト!とは言えないのだ。
まぁ、東アジア共栄圏なるものを提唱し、日本もお隣の偉大な国々と同じような制度に作り替えていきましょう、ということであれば、この制度にこだわるのも納得できる。もし、東アジア共栄圏なるものが実現し、日本が中国の一部に組み込まれたときには(今の流れでは必ずそうなる)、制度的に同じようにしておいた方が何かと都合がよい。仮に中国人女性が日本人男性と結婚していても、元の姓を名乗り続けることができるから、お国と同じになる、というわけだ。
ここまで書くとうがちすぎだろうが、まんざら外してもいないような気がする。皆さんは、どう思われるだろうか?