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はやぶさ、還る。

小惑星探査機「はやぶさ」が7年の旅を終えて地球に帰還したという知らせは、私には驚きでした。何しろ、「はやぶさ」という機械が7年前に地球を飛び立った事実などまったく知りませんでしたし、その目的がいったい何なのかなど思いもよらないことだったからです。「はやぶさ」帰還、といった報道を知るまで、多くの人が同じような認識だったのではないかと勝手に思っています。

日本経済新聞。

今回、「はやぶさ」の帰還は、いろいろなことに思いを馳せてくれました。

一つは、月より遠い天体にたどりつき、還ってこれたというのは世界初の快挙ということで、日本の技術力の高さを改めて認識させられた、ということです。聞けば、道中でトラブルが発生して、予定より3年長くかかったということ。はるか宇宙、何かあっても手も足も出せない空間を見つめながら、やきもきしていた技術者の顔が浮かびます。何とか還ってこられたのは、もしかしたら障害にうまく対応するべく埋め込んだ短いプログラムコードが手柄なのかな、とかプログラマである私は勝手に思ったりするのです。

もう一つは、こういった事実があまり周知されていないことです。もしかしたら、トラブルで計画が狂った際に何らかの報道がなされていたのかも知れませんが、特に興味が湧かなかったか、忘れてしまったということ。興味のないことに興味を持てといわれても酷かも知れませんが、科学少年であった私さえスルーしてしまうとは、あまりに素っ気なかったのかも、と思わざるを得ません。鉱物資源に恵まれない我が国では、技術立国を基礎にするしかない、と言われます。もっと広報してもいいのかな、と思います。

さて、上の文に関連するのですが、「はやぶさ」には続編、違った後継の計画があって「はやぶさ2」と呼ばれているらしいです。これが、このたびの「事情仕分け」と称する一種のパフォーマンスに巻き込まれ、事実上頓挫しているということですね。確かに、宇宙に対するアクションは目の前に結果が現れにくいかも知れません。ですが、宇宙で使えるべく培った技術は、一般社会に対しても必ず基礎技術として貢献できるはず。

より高いところを目指していれば、その中途で生まれるさまざまな恩恵にあずかれるはず。最初から目の前の雑多なことばかりに集中していては、それより低いレベルのものしか生まれません。そのへんのことが、あの方々にはわかっていないようです。

遙か彼方の小惑星から砂を採って還ってきた(実際に採れたかはJAXAで調査中らしいですが)という事実は、やはり少年たちにとってもロマンであることでしょう。普段、目の前のゲーム機やPCで仮想空間やネット空間にどっぷりですと、考えること、想像することも、その機会さえもなくなろうというもの。はるか空を見上げて、あの広い空間で何が起きているのか思いを馳せる、といった時間も必要と思うのです。

まぁ単なるロマンで大金を使われてたまるか、という御仁もいるでしょうが、実利も当然あること。今は普通だと誰もが思っている新幹線や携帯電話だって、限りない研究心と情熱があってこそ生まれたもの。ロマンを馬鹿にしてはなりませんぞ。

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