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さらばJ. P. ホーガン

SF作家のジェームズ・P・ホーガンが12日に亡くなったと聞きました。まだ60代だったということ。40代の私がいうのも何ですが、まだ若いのに残念な才能を失ったものです。

「星を継ぐもの」(創元SF文庫)

J. P. ホーガンといえば、そのデビュー作、「星を継ぐもの」が私にとってのベストです。かなり前になりますが、この本について書いてもいました。

星を継ぐもの―ジェームズ・P・ホーガン

本の内容は、この記事をご覧いただくことにして、今回はその続編とか、別の作品についてもちょっと書いてみます。

実は、「星を継ぐもの」は、その後に発表される2作品と合わせて、三部作となっています。

「ガニメデの優しい巨人」(創元SF文庫)

「巨人たちの星」(創元SF文庫)

二作目では、かつて太陽系にいたとされる種族(ガニメデで出会ったからガニメアンと呼ばれることになる)との出会いと、彼らが再び宇宙に旅立っていくまでを描いています。

三作目では、ガニメアンが自分たちの子孫の住む星に帰り着いた!がそこで生まれるトラブルと一作目に通じする謎の人類との関係など、すべての謎が明らかになります。

一作目より二作目、二作目より三作目と、スケールがどんどん大きくなり、謎解きの度合いも高まっていくことから、一気に三部を読み終えてしまうことでしょう。SF、科学好きならば。

まぁ、回数を重ねるごとに、巷の評価が下がるのは仕方ありません。でも、私には十分面白かった。内容を忘れたころに、また読み直すと、それはそれで面白い、こんな壮大な話だったかと、改めて感激するのです。

ところで、これらの作品が非常に面白かったので、他の作品も読んでみたいと思うのが普通です。ところが困ったことに、同一のテイストのものに巡り会うのが大変でした。

勧められて読んだ作品(タイトルは忘れてしまいました、汗)は、ちょっと読み始めたら、あまりの回りくどさに愕然とし、翻訳がまずかったのかも知れませんが、「指輪物語」のように序盤で挫折したのでした。

それで、気を取り直していろいろ探してみましたところ、「内なる宇宙」に辿り着きました。実はこれ、上記三部作の四作目という位置付けです。三部作の四作目というのも変ですが、まぁとって付けた感があるので、こんなふうに表現してみました。

  「内なる宇宙(上)」(創元SF文庫)

内なる宇宙(下)」(創元SF文庫)

この作品では、主に電脳世界、コンピュータ内部の話がメインになるので、三部作にあった極めて広い科学分野での掘り下げとかそういうものはなく、そういうのを期待すると期待はずれになってしまうかも知れません。また、宗教など社会的な要素も絡んでくるのが、三部作を楽しんだ人にはややなじめないところも出るかも知れません。

しかし、私自身が読み切れたということは、十分に面白かった作品と言えるのではないかと勝手に思っています。私自身コンピュータは好きですし、未来の仮想現実というものがどのようになっている(のかな?)といったところにも興味があります。

「内なる宇宙」と邦題にあるように、宇宙は内面に存在する、といった哲学的な趣もある作品です。三部作を楽しんで、まだ足りないと思ったら、ぜひ読んで欲しいです。

と、結局は作品の話ばかりになってしまいましたが、氏の逝去をきっかけに、また作品に手を伸ばしてしまうだろう自分がします。どうぞ、安らかにお休みいただきたいです。

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