今日、何気ない会話の中で、日本で使われているニート(NEET)とは、本来の意味で使われていないという話が出ました。
「私の旦那はニートだから~。」
「え?働いていないの?有名な人では?」
「働いているけどニートだよ。」
「どういうこと?」
ここでNEETの綴りを確認すると、Not in Education, Employment, and Traningということらしいです。つまり、教育を受けていない、雇われていない、訓練もしていないということですね。この2番目に注目して下さい。「雇われていない」ですから。
日本では、ここが「働いていない」に解釈されていることが多いようで、実際に私はそう思っていました。つまり、教育を受けていない、働いていない、訓練もしていない、そういう人ですね。だから、上の会話では「???」と思ってしまったのですが、個人事業主として働いているケースでは、本来の定義ではニートになってしまうようです。
この定義では、あのデザイナー氏は、完全にニートだな、とかいう風に話が飛んでしまうわけです。
ところが、NEETの正確な定義は、「16~18歳の」というように年齢制限が入るらしいのです。これなら、個人事業主、という可能性は極めて低いです。日本で言えば高校生くらいの年齢で、教育を受けていない、雇われていない、訓練も受けていない、ということであれば、我々の思っているニートの感覚に近いですね。冒頭の会話文では、違った使われ方をしているわけです。
もともとはイギリスで統計文書に使われた言葉。それがどういうわけか微妙に違った意味で取り入れられ、政府文書にまで出てくる始末。いやはや怖いとは思いますが、こういうのって意外と多いかも知れません。何となく使っている言葉でも、特にそれが奇妙な略語とかなら、その意味を疑ってみる必要がありそうです。