通勤中に、不意に襲ったふくらはぎの異変。6回にもなってしまったこの連載、そろそろまとめに入りましょう。好評「肉が離れる!」の第6回です。
第1回は、こちら。第2回は、こちら。第3回は、こちら。第4回は、こちら。第5回は、こちら。
長々と書いてきましたが、要はクリニックに行き、薬局で薬をもらいました、ということです。あとは、回復を待つだけの日が始まります。実は、この記事を書いている日は、「肉離れ」が起きてからほぼ一週間目になるのです。とすると、片足が不自由な生活を一週間ほど続けてきたわけで、その間に起きたこと、感じたことをまとめ的に書いてみようかと思いました。
あの日から、これまでの生活にさまざまな制限が加わることになりました。
- トレーニングジムに行けません(当たり前だ)。
- 飲酒は禁じられました(少なくとも薬を飲んでいる間は)。
- 入浴の禁止。シャワーのみ(急性期の3日間ほど)。
- そもそも歩きにくい(実はこれが重大)。
歩きにくいのはしようがないです。何しろ、悪い方の足(右足)のふくらはぎの筋肉を伸ばすも縮めるもダメですから、必然とびっこ(これ以外の表現が思いつかないので、これを使います)をひいたように歩くことになります。歩き方としては、無事な左足を半歩前に出し、それに追いつくようにもう一方の足を出すといった感じです(わかりにくいなぁ)。ですから、歩幅も通常の半分という感じです。非常に左足に負荷がかかりますし、姿勢も前屈みになりがちで、肩も左が上がったようにアンバランスになります。
平坦路ではいいのですが、ちょっと傾斜があったりすると、けっこうきついです。何よりも階段です。階段しか使えないような場所では階段を使うのですが、右足の曲げ伸ばしが不自由なので、そっちを先に下ろし、そして左足をそれに追いつかせるという感じになります。歩くときと逆ですね。手すりは必須で、手すりがないと何かの拍子に転げ落ちそうになって非常に怖いです。
たかが肉離れといいますが、自由に曲げ伸ばしができないだけでこれだけ不便かと、思い知らされます。普通に歩けることが、何て素晴らしいことか、ですね。
このような有様ですから、信を曲げて、エレベータやエスカレータなどの文明の機器は、ここぞとばかりに利用させてもらっています。電車の中では、普通に立っている分には問題ないので、特に座りたいとは思いません(座れたら座りますが)。
普段は使わないエレベータやエスカレータですが、使わなければならない状況になって、初めて見える風景というのもあるものです。電車が駅に到着すれば、多くの人がエスカレータの乗り口に殺到しますが、私もその中に加わらねばなりません。えっちらおっちら歩くのですが、皆さんこんなのに構っていられないのでしょう、どんどん追い抜いて先に行きます。
そんなことはもちろん構わないのですが、私の歩みののろいのに業を煮やしたのでしょう、ちょうどステップに上がろうとした私の目の前に割り込むように入ってきた人もいて、ちょうど私の乗っているひとつ前のステップにその人が乗った、そんな感じになってしまいました。後にずれるわけにもいかずに、困ったこともあります。
また、エスカレータのステップに上がる人の列を遠目で見ていても、皆急ぎたいのか押し合いへし合い、こづくように乗り口に吸い込まれていきますが、最近は「エスカレータ歩き上り」さえも避ける人が増えてきたのか、エスカレータの片側だけひたすら人がいる、という感じにもなっているようです。エスカレータの狭い乗り口に駆け寄り、人に揉まれる体力があれば、スッキリ階段を上った方が精神衛生上も体のためにもよいよ、と思うのは私だけでしょう。
(すべての人がそうとは限らないでしょうが)ああ、立派な二本の足があるのに!と思ってしまいます。
ああ、今回は愚痴っぽくなってしまいました。こんなことではいけませんね。何とかこの状況を何か楽しいものに、と発想を転換しなければなりません。
実は、冒頭に挙げた箇条書きのうち最初の3つが禁じられましたが、これらは私の休日の楽しみでもあるのです。土曜の午前中にトレーニングジムに行って汗を流し、夕方にはゆっくりと風呂に浸かり、そして冷えたビールをぐいっとやる、というのが基本パターンです。これが全部なくなりました。どうしましょうか。
そして、歩く自由が利かないので、山に入って写真を撮るというのもあり得ません。行けないことはないでしょうが、必要もなく足に負荷をかけてわざわざ悪化させるような真似は間抜け以外の何者でもありません。ということで、これもナシです。
ということで、どうせ動けないし、酒も飲めないので、「新館」(私のWebサイト)のメンテナンスや「Flickr」(私の写真倉庫)のメンテナンスをとことんやろう、そうだゲームもイヤになるまでやってやる、と居直った次第です。何しろ、家にいるしかないのです。普段は不健康だぜ、と思っていることでもそれをやるしかないとなれば、やましいことは何もないのです。
ということで、最初の土日を越えました。足の方はもちろん回復に向かってはいますが、痛みはありますし、力も入りません。ふくらはぎは、相変わらず腫れています。歩く速度は通常の2/3ほどにまで上がっていますが。しばらくは、この生活になるでしょうが、仕事は山ほどありますので、平日も乗り切っていくしかないでしょう!
ということで、この連載はいったん区切ります。次に書くとしましたら、回復のときでしょう。果たして元の生活に戻れるのでしょうか?