「辛いもの探検隊」も久しぶりです。地道に愛好者もいるこのシリーズ、今回はフランチャイズチェーンの「幸楽苑」に攻めてみました。ところがここは本命でも何でもなく、紆余曲折の上に辿り着いた場所だったのです…。
「この季節にぴったり!!」というには、暖かい一日でしたが…。
では本命はと申しますと、東京港区六本木の「めんや参〇伍」でした。このお店、チェーン店でもなく、六本木の路地裏にカウンター席が10席ほどという、こぢんまりとしたお店です。「辛いもの探検隊」としては、このお店の「激辛烈火麺参〇伍」(「知りませんよ、辛いですけど。」という突き放したコピーが恐怖心をそそります)がお目当てだったのですが、何と、夜だけのメニューというではないですか!それならそうと言っておいてくれよと思いましたが、出向いたのはお昼でしたのでどうにもならず、やむなく路線変更を余儀なくされました。
で、出向いたのは同じ六本木の「幸楽苑」です。まぁ、近くに適当な店もないし、しかたないよね?ということで(あ、誤解のないように申し上げておきますが、「辛いもの探検隊」の主旨からいえば「しかたない」です。安くてうまいラーメンを出してくれるのでありがたいチェーンです)、このお店に向かいました。
ですがこのお店、「台湾風辛しらーめん」とか「酸辣湯麺」とか割と辛めのメニューを揃えているので、いつか味わってみようね、という話になっていたのでした。そういう意味では、物足りなさはあるにしろ、いつかは通る道でした。
申し遅れましたが、今回もグラフィックデザイナーのN氏が同行しています。N紙は、寝起きの眠い目をこすりつつ、昼過ぎに六本木の地に現れました。せっかく午前中に起きたのに本命が落馬したとして、憤懣やるかたないといった表情ですが、ここはどうどうどうとなだめつつ、「幸楽苑」の狭き門をくぐります。
撮影に都合のよい奥まった席に陣取り(お昼時はさすが混んでいます)、さっそくメニューの物色を開始します。まぁお目当ては決まっていて、N氏は「台湾風辛しらーめん」(税込み514円)、私は「酸辣湯麺」(税込み619円)です。どうせならと「餃子」(税込み199円)も頼み、N氏はさらにライス(税込み157円)まで注文します。麺を食べ終わったあとのことまで考慮した、完璧な組み立てと言えます。
しかし、中華そば(らーめん)を税込み304円で出す店で、ライス157円は割高な印象です。しかも、量が茶碗に半盛ほどで、少ないのでは?という感じもします。公式には180gということなので、飯茶碗一杯ほどの量、ということでしょう。
最初に餃子と(N氏には)ライスが来ました。ここの餃子は食べ慣れているので特筆すべき点もないのですが、あえていえば「強い味付けは不要」というところでしょうか?お店のポスターにも、「タレなしでもOKです」みたいなことが書いてあります。私の場合は、テーブル備え付けの「辛子にんにくみじん切り」と酢の組み合わせが気に入っています。
間も置かずに、本体が到着します。あれ?見た目は両方ともあまり変わらないかな?と思いましたが、よく見ると「台湾風辛しらーめん」(上の写真)の方には挽肉、「酸辣湯麺」(下の写真)の方にはとろみのある具、と違いがあります。「台湾風辛しらーめん」の方は後日N氏がレポをくれるでしょうから放置するとして、「酸辣湯麺」の方は肝心のとろみのある具があとからかけてある、という感じです。
なので、全体をざっとかき混ぜると、よい雰囲気になります。混ぜる楽しみをとっておいてくれるとはさすが!と感服しつつ、まずはスープを一口。
酸味も辛味もほどほど。
ですね。専門店ではないし、強烈なインパクトは期待していませんでしたが、これなら「中華三昧」の「酸辣湯麺」の方がすごいぜ?と言わせるような味付けです。普通の中華そばに酸味を加えて、やや辛味を出した、そんな感じです。
具を見てみましょう。具はとろみがあるのはもちろんですが、そこに豆腐のかけら、溶き卵、シイタケ、キクラゲ、タケノコの細切りが入って中華っぽくなっています。ネギも、やや多めにトッピングされているのでネギ好きの私にはうれしい限りです。
いざ食べ始めれば、ちょっと毛色の変わったラーメンという感じで、これはこれで美味しいです。麺は、他のラインナップと同じものを使っているようです。
辛味が物足りないね、なんて話をしておりましたら、N氏がメニューの隅から「辛しトッピング」(税込み105円)というものを発見しました。これって興味ある!ということで注文しましたが、対応してくれた女の子が「一辛か?二辛か?」とか言ってきて、当方は???という感じでしたが、どうやら量のようです。「一辛」で満足できない場合には追加できるということなので、とりあえず「一辛」を注文しました。
「辛しトッピング」が到着。レンゲに何かが盛られています。レンゲに盛られたものを見てみますと、豆板醤のように見えます。辛しトッピングで豆板醤か、とあまりに適切な展開に納得しつつも、まずは明らかに辛味が不足しているという表情のN氏が、半分以上をスープに投入しました。
みるみるうちにスープが赤くなり、「これはいけそう!」という雰囲気になります。そのとき直に味見してみたようですが、やはり豆板醤でした。う~む、これなら今度から豆板醤の瓶を持参で来ようかと思いましたが、さすがにそれはまずいでしょうね。私も少し入れてみましたら、一気にスープがそれっぽくなりました。それっぽくの「それ」って何?と言われると困るのですけど。
ほどよい辛さになり、とりあえず胃袋は満足。N氏も、辛くなったスープにごはんを投入して、とりあえず胃袋は満足のようです。探検隊の主旨からいえば、反則技を使って何とか水準まで持っていったということになりますが、今日の成果をN氏に採点してもらったところ、何と「50点」という「辛い」数字になりました。なお、これは「辛しトッピング」をインストールしてのあとの数値で、インストール前では「30点」というこれまた「辛い」数字。求道者は厳しいです。
久しぶりに、おなかいっぱい食べたという感じです。さすが、C/P比では「日高屋」とタメを張る「幸楽苑」と言えましょう。ただし、やっぱり「台湾風辛しらーめん」と「酸辣湯麺」は他のメニューに比べると高めです。お店の外にも幟がたくさん立っていますから、たくさん食べてもらいたい、利幅の大きな商品ということと思います。普通に食べるなら、「中華そば」+「餃子」の組み合わせが最強です(500円くらい)。
ということで、次回はN氏のレポ行ってみましょう。来るかな?