お昼にラーメンを食べてきました。場所は、久しぶりに行った「直久」です。まぁ東京近郊の人しか知りませんね。いわゆる東京ラーメン、中華そば、そういう系統のラーメン屋さんです。
冒頭の本は何?少々お待ち下さい。
これはあの有名な東海林さだお先生の有名な「〜の丸かじり」シリーズです。もとは週刊文春連載のエッセイではなかったかしら(うろ覚え)。それが単行本になり、文庫化されています。
ちなみに私は単行本所持者。好きでした、このシリーズ。
「ワニの丸かじり」の中に、「午後二時のラーメン屋」というのがあるのですが、それを実践してしまいました。とはいえ、昼食の遅い私なので、別にこれは珍しくはありません。
直久でなくとも、日高屋、幸楽苑、何でもあります(チェーン店ばっかり)。
あれ?また新しい本が。これも同じですね、今度は「ナマズの丸かじり」ですか。
実はここに、「トンカツの祝宴」というのがあるのですね。ラーメンとトンカツですか、いったい何の関係が?
「午後二時のラーメン屋」というのは、昼飯時を過ぎて落ち着きを取り戻したラーメン屋で、しみじみとラーメンを注文して、しみじみと作られるラーメンを観察するというお話です。
「トンカツの祝宴」というのは、人間ドックを終えて24時間飲まず食わずだった著者が、「ドック明け」に何を食べるかということで、これは肉だろ、しかも油方面、ということでトンカツとビール!に進むというお話です。
ラーメン屋では、午後二時も過ぎて他に客もおらず、ただ一人でスポーツ新聞でも眺めながらラーメンのできあがりをしみじみ待つ、という展開なのですが、実際はそれだと商売にならないので、あの手この手で客を集めようとしますね。
トンカツ屋では、トンカツとビールを注文するのですが、ビールの種類を細かく確認され(ビンと生とか)、トンカツも種類を細かく確認される(ヒレとかロースとか)、という注文おばさんの執拗な攻撃に遭う、というところが面白いのですね。
で、私の赴いた直久ですが、このお店は訪れるたびに何かが変わっているので油断がならないのですね。とはいえ前回に訪れたのが一年以上前でしょうから、変えるなという方が無理でしょう。
ここは、野菜とチャーシューのおいしい「とんさいらーめん」というのが名物なので、それを注文しますと、意外なことを注文取りのおばさんが聞いてくるのです。
「二時から大盛り無料タイムです」
え?大盛り無料?昔ならともかく、今の私には、…。いえ、結構です。
「餃子をプラス100円でおつけします」
え?餃子100円?昔ならともかく、今の私には…。いえ、結構です。
「麺はどのようにしますか?」
どのようにって…。どのようになるのですか?
「細麺と太麺がございます」
じゃ、細麺で。
「縮れ麺とストレート麺が…」
う〜む、まだ来るか?
と思って身構えていましたが、諦めたようで、基本メニューの「とんさいらーめん塩味」のみで引き下がっていったのでした。
ちなみに、ほぼ同時に入ってきた私より上のおじさんは、大盛りいいね、餃子いいね、もちろん太麺でね、と私の逆張りをひたすら進んだのでした。
あとでドンブリを見ましたら、上下対称のような状態に野菜が積まれて、それはおいしそうでしたが。
らーめんはおいしいものですよ、やっぱりスープが売り物のお店ですし、野菜もたっぷり、ちゃーチューもおいしいです。ただ、野菜の炒め物が作り置きなのか、熱くないのでらーめん全体がぬるい感じになってしまうのですね。これが残念。
ということで、午後二時を過ぎたら客集めにがんばんなきゃ、注文オプションに余念のない注文取りのおばさんというので、東海林さだお先生の本を思い出したという記事でした。