両方ともスポーツ絡みなのですが、いいなと思ったエピソードを2つほど。
ひとつめ。私は野球が好きなので、休みの日の朝はアメリカMLBの中継をNHK BSなどでよく観ます。日本人選手が活躍すれば単純にうれしいですし、やっぱり向こうのプレイはパワフルですからね。
先日、イチローがシアトルマリナーズからニューヨークヤンキースに電撃移籍しました。この知らせは朝のニュース速報で観ましたが、さすがにビックリしました。発表したその日の試合にはもうヤンキースの選手として出場していたというのがいかにもアメリカらしいですが、私が感動したのは移籍後初打席で観客席に向かってお辞儀をしたイチロー選手と、地元のマリナーズファンのスタンディングオベーションなんです。
考えてみれば、在籍中に2,500本の安打を打ちチームに貢献してくれたのですから当たり前という評価もありましょうが、やはり去って行く選手を快く思わないというマインドがあっても不思議ではないところです。しかしファンの気持ちは「今までのプレイにありがとう。ヤンキースでも頑張ってくれ」だったんですね。
オールスターゲームの選出にも漏れて、ここのところの成績もあまりぱっとしなかったイチロー選手に対して、「ありがとう」と「がんばれ」が錯綜したオベーションだったのだと思います。
もうひとつ。ロンドン五輪が始まって盛り上がっていますが、私は球技が好きなので、サッカーやバレーボールなどをマークしています(野球がなくなったのはちょっと残念)。サッカーといえば男子も女子も好調ですが、なでしこを標榜する女子サッカーで、対スエーデン戦で、こういうことがあったそうなんですね。
試合開始から2分強を過ぎたあたり、「ニッポン!」と「チャチャチャ」という三拍子が会場を覆い尽くした。会場のすべてが日本人であるはずはないのに。
このあと、なでしこジャパンの選手たちの動きがガラッと変わったというのです。対戦相手のスエーデンの選手にすればたまったものではないですが、日本の選手たちにとってはこの上ない戦力になったのではないでしょうか?
こういう話を聞くに、必要なのはやっぱり「人を味方に付ける力」なのだなぁ、と思います。マリナーズのファンは移籍するにしてもイチローの味方であったし、サッカー女子チームはスタンドの異国のファンを味方にした。スタンドのファンは、自分の贔屓を応援するものなのですが、そういうものを越えた何かがあったということなんでしょう。
仕事をする上でも、こういったマインドは大事にしたいな、と思うのですが、それにはまず自分が信頼に応えることのできるプロフェッショナルである必要がありましょう。精進しなければならないな、と強く感じたエピソードでした。