27日の日経夕刊を見ていて…。2005年、JR西日本福知山線で発生した尼崎脱線事故の責任を問うた裁判の判決が出たということ。神戸地裁は、歴代社長に無罪の判決を言い渡したとのことです。遺族にとってはやりきれないでしょうが、これもひとつの結論でしょう。組織の責任を追及することの困難さが、改めて浮き彫りになったのではないでしょうか?
私は裁判の是非を論じませんが、福知山線は阪急、阪神と併走して競争が激しく、高速運転に過密ダイヤという状況で、遅れれば日勤教育という懲罰が日常化していたということで、かなり問題になったものです。
競争があればサービスが向上し、行き過ぎれば災害になる、ということでしょうか。
対してJR北海道。奇しくも2つの鉄道会社の記事が並んでおります。こちらは、レール異常を20ン年にわたって放置してきて、それに由来した脱線事故で社長の事情聴取が始まったという話。JR北海道の場合、競争相手らしい者はおりません。そのせいか経営自体が緩んでいたのでしょうが、それとも北海道人の気質によるものなのか、よくわからないところがありすぎです。
競争がなければ経営が安定し、行き過ぎれば緩んで災害になる、ということでしょうか。
どっちに転んでも行き過ぎればいいことなし。これを防ぐには、絶え間ない変化で定期的に組織をリセットするしかないような気がするのですけどね。自らそれを実践するのは極めて困難で、高い自律が求められるのであります。