人口減少による労働者人口の減少、内需の縮小に対抗するために、20万人の外国人労働者の受け入れを検討し始めたそうだ。しかし、あえて言いたい。外国人労働者に頼る前にやることがあるのではないのか、ということを。
16日日経の朝刊「中外論評」で、建設業界での職人の確保の難しさを書いた記事があった。たまには日経もいいことを書く。平日では、経団連の偉い人に配慮して書けないのかな?
大前提は、日本の労働者人口が減少している、ということである。人口が減っているなら、それは事実だろう。人口が減れば、内需にも影響が出る。それも間違いない。
労働者を増やせば、内需も増える、そんな理屈だろう。
しかし、本当に労働者人口はすぐに外国人を入れなければならないほどに減少しているのか?私は、外国人を採用する理由は、ほかならぬ賃金対策だけだと思っている。日本人よりは外国人の方が労働対価を抑えられる、そんなところだと思っている。
条件のよくない仕事はしたくない、という日本人の事情もあるだろう。しかし、よくない条件でしか仕事の場を提供できない、企業サイドには問題はないのか。
サービスを安価で提供していかなければならないとすれば、どこかでコストを圧縮する必要がある。そしてそれは、末端に対して出しやすい。結果的に、現場で働く人がもっとも割を食うことになる。
これは、企業だけではなくこの国に住むすべての人の考え方に関わる話である。より安く、よりよいサービスを求めることが、どこかに一方的なしわ寄せを与える結果にならないか。
何でも安ければいい、ではなくて、真面目に働いた成果に対する対価をきちっと報いる、そんな考え方が安易に外国人労働者に頼る前に必要ではないのか。
コストに有利だからと外国人労働者を入れ、いらなくなったら帰って下さい、ではあまりに身勝手だと思うのである。