通勤電車での話。やっとこのせで席に座れると、なぜか目の前に疲れ果てた妊婦さんや、しなび果てた老人に立たれることが多い。
妊婦さんには、「赤ちゃんが乗ってます」マークだったか?違ったか、何だっけ?とにかく、アレが付いている。老人には、杖が漏れなく付いてくる。
なので、席を譲らないわけにはいかない。幸い、周囲の人間は皆寝ているか、スマホに夢中で気が付かない。だから、余計にしらばっくれるわけにはいかないのだ。
しかし毎度毎度困るのは、どうやって席を譲ればスマートかいうことだ。
今夜も、渋谷で眼前の席が空いたので、やっとこせで着座し、座っていないとできない「パ◎ドラ」に精を出そうかと思ったら、目の前にピンク色のマークを付けた女性が一人。
う〜ん、けっこう席が空いたのに、それらの席はすぐに埋まってしまったなぁ。見上げれば、疲れ果てた顔をしている。乱れた髪をしている。しかも、大量の荷物を抱えている。背景を想像しようかと思ったが、そんな時間はないので、席を譲らなければならない。
「座りますか?」 う〜ん、聞くのも譲りたくないみたいで変だな。
「座って下さい。」 命令か、押しつけがましいという感じだな。
黙って立つか? 気付かれなかったらどうする?(んなわけないかな)
果たして、どのようにするのがスマートなのだろうか? しかも、譲った後はどうすればいいのだろうか? けっこう混雑した車内を移動して歩くのもなんだし、目の前に立つのもお互いに気詰まりだ。
と考えていたら、「譲らないのも選択肢です!」という声が聞こえた。う〜ん、それはいくらなんでも…?