何でしょう、このタイトルは…。ふと、昔のことを思い出しての投稿です。
職場が今の場所(築地)に移る前、かれこれ2年くらい前ですか。私は、勤務地のあるT字の交差点で信号待ちをしていました。あ、横断者の方ですからね。
ぼーっと、歩行者用信号が青に変わるのを待っていますと、ある小っちゃいおばあさんに話しかけられました。
「あのね、向こうに渡りたいのだけど、一緒に渡ってくださる?」
「は、はぁ。」
どうせ渡るので、否はありません。OKして、渡り始めました。
すると、こうおっしゃるのです。
「手を繋いでいいかしら?」
「は、ハァ?」
普通、こうなりますよね?
「アタシね、目が悪くて、見えないと不安だから…。」
そう言われれば、OKしないわけにはいきません。手はすでに差し出されていましたので、手を取ります。うん、白くて小さい、いかにもばーちゃんという感じの手です。
「アタシ、キヨコというのよ。あなたのお名前は?」
う~ん、名乗られるとは思いませんでしたが、こちらが名乗らないのも失礼かと(そのときは)思い、名乗りました。
「なおです。」
「なおさん、いいお名前ね。」
などと話ながら歩いていましたが、とっくに横断歩道は終わっているのです。でもなぜか手を離す様子はありません。
どこまで行くのかと聞こうと思った矢先です。
「そこの角まで付き合ってくださる?そこまで行けば、あとは大丈夫だから。」
言われるとおり、T字の縦棒にあたる道を進み、最初の角まで歩きました。その距離、100メートルくらいでしょうか。
目的の角に着き、別れました。キヨコばーちゃん、お礼を言って、角を曲がって奥の方へと進んでいきました。私は、そこで退却。
そこそこ、交通量の多い交差点でしたので、視覚に不安のある身では、単身で渡るのは不安だったのでしょうね。今でも渡るとき、やっぱり誰かに声を掛けているのでしょうか?私は勤務地が変わってしまったので、あれ以来遭遇できることはありません。
キヨコばーちゃん、元気にしているかなと思っての投稿でした。