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日刊デジクミ(3)―活版とは?

「活版」とは、「活字組版」の略である。
「活版印刷」という言葉があり、これは「活版」による「版」を用いた印刷をいう。
「組版」については、まだ書いている途中だから、「活字」について触れてみよう。

現代で言う「活字」とは、本来の印刷技術としての意味で使われているのではなく、広く印刷文字全般を指すように使われている。
「活字離れ」という言葉が、これを表している。
しかし、専門知識として「活字」を扱うには、これではダメである。

「活字」とは、印刷のための金属の文字版をいい、1文字1文字にそれぞれ異なる版(実際には棒状の判子)が作られている。
ある文面があるときに、文字ごとの「活字」を組み合わせ、1枚の「版」を作成する。
これが「活字組版」=「活版」である。
異なる文面の版を作る場合には、「活字」の組み合わせを変えればいいだけだから、無限のパターンに対応できる。
15世紀にグーテンベルグによって「活版」が発明されるまでは、1枚の印刷用の「版」をいちいち作っていたのだから、これは画期的であった。

「活版」による印刷では、原稿に対して必要な文字を素早く探して組み上げる、文選工、植字工が活躍した。
これらの専門技能は、「活版」が消滅したことで、同時に消滅した、と言われている。

「活版」についておぼろげにでも理解できたら、具体的なところに入っていこう。

日刊デジクミ(2)―組版とは?
日刊デジクミ(4)―活版印刷の工程

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