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カセットテープをデジタル化しよう(8)

順調に見えるカセットテープのデジタル化だが、ここに来て重大な問題が出てきている。それは、録音時の音量をほとんどコントロールできない、ということだ。購入したUA-1Xは、入力レベルの選択が2パターン(-10dB, +4dB)しかないし、Windowsのコントロールパネルの機能で録音時の音量設定もできない。頼みの綱はバンドルソフトのSound It!だが、こいつは入力デバイスの機能に完全に依存している。録音後に音量を調整する機能はあるが、レベルカットされてしまったものはどうやっても取り返せない。そのままだと音が歪むか、音がノイズに沈んでしまうかのどちらかになるソースが出てきてしまう。さて、どうしようか。

実にマヌケな話だが、どういう商品がほかにあるのかまったく考えず、とりあえずアイ・オー・データ機器の発売しているもの、あるいは同レベルのものという発想で商品を選んでいたのであった。で、UA-1Xを出しているRolandのサイトで、もっとよく調べてみる。すると、UA-1EXという商品がある。これには、なんと入力レベルを無段階に調整するボリュームが付いているらしい。値段は、UA-1Xとそんなに変わらない。なんだ、こんな商品があったんだね、そういえばUA-1Xの発売は古いものな、と思いつつよく見ると発売は2005年10月。え?2005年10月?ずいぶんと先だな、何かの間違いではと思いネットで検索すれば、確かに未来の発売になっている。出ていないものはしようがないなと思いつつ、似たようなものを買いなおしても何だか詰まらん、と思いほかをあたってみる。すると、オーディオキャプチャ系では、以下のようなラインナップがあるのであった(ちなみにEDIROLというブランドでまとめられている)。

UA型番はUSB接続、FA型番はFireWire(IEEE1394)接続だ。基本的に、数字が大きくなるほど「すごく」「高い」と思えばいいだろう。チャネル数が10と多かったり、ラックマウントできたり、MIDIインタフェースを持っていたり、とバリエーションがある。エントリーモデルは、UA-1XとUA-3FXである。双方とも入出力は基本的に1系統で、USBバス供給の電源で動作する。ただ、両者の機能には価格以上の開きがあるように見える。

UA-1Xについては以前に触れたので、今回はUA-3FXだ。価格は、UA-1Xの倍くらい。ただ、アナログ入出力、光デジタル入出力、マイク/ギター入力、各種エフェクト、入力レベルと出力レベルの無段階調整など、かなり充実している。24ビットのサンプリングにも対応している。付属ソフトウェアはSound It! 3.0LEと変わらないが、ほとんどの調整がデバイス側で済んでしまうので、あまり関係ない。

で、すでにUA-1Xがあり非常にもったいないのだが、UA-3FXの購入に踏み切ることにした。Amazon等のレビューを見ても評判がいいようだ。コスト対価格の比がとてもいいような気がする。UA-1Xの方は、サウンド機能のないデスクトップPCの方で活躍してもらおう。なお、すでにサウンド機能を内蔵しているPCでも、UA-1XなどのUSBオーディオデバイスを付けた方が、音質が改善される。ゲームなどをやっても別物だ。ぜひ試して欲しい。

UA-3FXも、Windows XPの場合は接続すればすぐに使えるようになる。デバイスドライバ側で音量調整できないのも同じだ。必要な調整は、すべてUA-3FX側で行えばいいらしい。やたらとスイッチ類が多いが、基本的に工場出荷状態で使うもののようだ。

で、結果だが、すこぶるいい。テープ側の音量が大きすぎて、音が割れるか頭打ち感のあるような場合には、スライダー式のボリュームを絞ればいい。ピークインジケータがあるので、それを目安に調整してもいいし、Sound It!側でレベルメータを表示させて、レッドゾーンにあまり入らないように調整してもいい。いずれにしろ、どうにでもなるという感じだ。

UA-1Xに比べて、PCの脇に置いても様になる。ちょっとしたオーディオ機器(そうなのだが)という感じなので、ちょっと格好もいい。なお、同種のものはライバルのヤマハなどからも出ている。もうこれ以上調べたり迷うのもイヤなので、あえて見ないことにしているが…。

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