愛用のミュージックプレイヤーであるiTunesがバージョン7にアップした(もはやミュージックプレイヤーとは言えないのだが)。今使っているのはバージョン6系列なので、メジャーバージョンアップということになる。新しく発表されたiPodのタイミングに合わせたバージョンアップということになる。果たしてその変わり度は…。
今回は、ビジュアル的にハッキリわかる部分と、プレイヤーとしての基本性能を高めるという点に、重点が置かれたように感じる。
インストールはいつもと変わらないように見えるが、オプションの選択で「Apple Software Update」の有無が加わる。以前はこんなのはなかったような気がする。Apple製ソフトウェアを総合的に管理するアプリケーションのようだ。Windowsなら、アプリケーションとしてインストールされ、「スタート」メニューから実行できる。
画面は一新された。左側のリストは、「ライブラリ」「Store」「プレイリスト」に分類され、「ライブラリ」には新たに「テレビ番組」が加わっている。音楽、映像、TV、ラジオ、Poscastと5つのメディアを選んで楽しめるというわけだ。iTunes Music Storeが、短くなってiTunes Storeになった。これは、先日発表されたビデオ配信の開始に伴って、「Music」を取り去ってしまったのだろう。iTMSは、iTSと短くなるのだろうか…。高度道路交通システム(ITS)と紛らわしいのだが。
新しいiTunesを起動すると、いきなり「アルバムのアートワークを自動的にダウンロードしますか?」と聞かれる。もともとiTMS(iTS)で購入したアルバムないし曲には自動でアートワークが付くが、アートワークのないすでに取り込まれたものについてもダウンロードできるようにするためのものだそうだ。かなり便利そうだが、当然iTSにラインナップされていないものは、対象外だろう。
さらに、ライブラリの更新が自動的に始まる。「ギャップレス・プレイバック情報の決定」というプロセスが、すべてのデータに対して実行される。曲数が多い場合にはかなりの時間がかかるのだが、この「ギャップレス・プレイバック情報」とはいったい何か?これは、文字どおり「ギャップなし」すなわち「継ぎ目なし」演奏を可能にするためのものと思われる。ライブ演奏などで、強引にトラックを区切っている場合には、どうしてもその継ぎ目は不自然になる。それを解消しようというものだろうが、果たして効果のほどは?「ギャップレス・プレイバック」は、少し試してみた限りでは、いい感じだ。ライブ盤でもトラックの継ぎ目の不自然さは相当解消されている。普通に聴くには、問題ないレベルと思う。
そして、プレイ中の曲やアルバムタイトルが表示される窓の右側に、ボタンが3つ並んでいるのに気付く。実は私は、これこそが最大の目玉ではないかと思っている。押してみればわかるが、曲リストの表示方法が劇的に変わる。今までは、タイトルやアーチスト名などが単に一覧で並ぶだけだったが、アルバムごとにアートワークを付けて並べたり、この記事の冒頭の画面のようにプレイ中のアルバムや前後のアルバムのアートワークをビジュアルに表示してくれたりする。ミュージックプレイヤーとして、これ以上ないほどカッコイイ出来となっている。私など、少々にやけてしまったほどだ。
3番目の表示方法を使う場合、←キー、→キーによる曲の切り替えが使えなくなるのは、少々不便だ。アルバムタイトルの表示を前後に切り替え、Enterキーでそのアルバムの曲を表示する、というジュークボックス的な使い方になる。
これでまた、iTunesを使うのが楽しくなった。自分で取り込んだアルバムでも、せっせとジャケットデータを集めるのが趣味になりそうだ。商売とはいえ、毎回素晴らしいソフトウェアをリリースしてくれるAppleに感謝です。