長年、画像加工に使ってきた「Adobe Photoshop 6.0」をついに捨て去るときが来た。基本的に古いソフトで、Windows XPが出るより前のものなのである。それでもWindows XPではきちんと動いていたので愛用してきたのだが、Windows Vistaではいろいろと問題があるので、思い切ってバージョンアップすることにした。バージョンアップといっても、「Adobe Photoshop」のバージョンアップではなく、「Adobe Photoshop Elements」への乗り換えである。
Vistaで何がまずいかというと、まずAero環境で使えない。Aeroが有効になっている状態でPhotoshop 6.0を起動すると、Aeroが自動的に無効化されてしまう。Photoshop 6.0が終了すれば、またAeroが有効になる。けっこう煩わしいし、互換性がないというのがよくわからず気持ち悪い。
もうひとつは、メニューとかパレット類がのっぺらぼうになることだ。しばらく使っていると、こんな感じになる。マウスカーソルを持って行くと、たどったところにメニューやらボタンが復活する。さすがに気持ち悪いし、加工中の画像もきちんと表示されないこともあるので、実用上も差し支える。
というわけで、Photoshopのバージョンアップを画策したが、最新の「CS3」は高い。アップグレード版で25,000円程度する。単体のソフトウェアとしては高価だし、「CS3」の機能は私には無用なものになってきている。というわけで、Photoshopの廉価版である「Elements」に白羽の矢が立った。昔のElementsはレイヤー機能もなくプアマンズPhotoshopという感じであったが、最新のElementsはPhotoshop 6.0と同等、むしろそれ以上と思っていい。アルバム機能が付いている分、お買い得、という感じもする。
個人的には、解像度変更、サイズ変更、シャープネス、明るさやコントラストの調整、各種のフィルタ(ぼかしなど)が使えれば十分だ。レイヤー機能が付いているおかげで、画像にテキストを入れるのも簡単である。
アップグレード版の対象は、世の中にあるほとんどの画像処理ソフトなので、たいていの人は持っていると思われる(デジカメ付属の画像加工ソフトでも対象なのだ)。たくさんの人が「先行投資」して成熟した性能を、今になって安価に利用できるのは非常にありがたい。反面、ソフトウェアには付加価値を付けにくくなっている時代とも言える。