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日刊デジクミ(12)―組版言語(3)

ファンクションについて少し書いたので、電算写植機における文字コードについても触れておきましょう。
PCやインターネットの世界では、JIS、シフトJIS、Unicode、EUCなど、さまざまな文字コードが使われていますが、写研ではSKコードと呼ばれる独自の文字体系を定義し、使用していました。

SKコードは、2バイト(16ビット)が1文字を表すという単純なものです。

これなら、JISやシフトJISと変わらないのではないか、と思うかも知れませんが、限られたコードの中で文字を表すという点では変わりはありません。

16進数で3000未満はファンクションで、3000以上、8000未満は通常の文字でとして定義されています。

こう見ると、JISなんかよりはるかに文字数が少ないのでは、と思われるでしょう。
実際、SKコード単独で表現できる文字は、20,000文字程度です。
ですが、日本にはこれを遙かに超える多くの文字が存在します。

実は、写研は日本全国で使われるあらゆる文字(人名、地名、など)を印字可能にするべく、次々と字母の追加を行っていた企業で、これは素晴らしいことと言えます。
多くの人名が、PCでは当て字になったり、別の字になったりしているのを見ると、写研のこういった資産を生かせないのか、と本気で思います。

ちょっと逸れてしまいましたが、写研ではSKコード単独で表現できない文字を、「外字」と呼ばれる仕組みでカバーしていました。
「外字」の考え方は、PCなどにおけるものと基本的に変わりません。ただ、PCなどでは外字用の文字コードが決まっていて、その範囲を超える数の外字は使えないことが多かったのですが、写研ではファンクションを利用し、外字を拡張するという手段に出ました。

[外]というファンクションのあとに外字コードを続けて入力すれば、その外字を入力したことになる、という仕組みです。
ファンクションを使うので、1文字を入力するのに5文字ないし6文字を必要とし、そういう意味では効率が悪かったと言えます。
ですので、外字は使用頻度の低い文字に割り当てられていました。

写研では、文字を「標準」「外字A」「外字B」と分類し、使用頻度などに応じて文字を割り当てていました。文字の割り当て方については、JISやシフトJISなどとまったく互換性がなく、完全に1対1の対応表が必要でした。

ここまで来たところで、写研電算写植機の入力端末の変遷についてもまとめてみましょう。

日刊デジクミ(11)―組版言語(2)
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