MacBook Pro(2011 Early)のSSD+HDD化と、OS X Mavericksへのアップグレードを同時に進める連載、今日はHDDをデータ領域としてうまく使うための設定を行ってみます。
SSD+HDD化により、512GBのSSDと1TBのHDDの2基構成になりました。もとのHDDの内容をそのままSSDに移行できれば何の問題もないのですが、容量の差が壁となり立ちはだかります。
高速なアクセスが必要なプログラムをSSDに置き、高速なアクセスを必要としないデータはHDDに置けば、それぞれのメリットを最大限に活かして有効利用できそうです。
シームレスなSSD+HDDの2基構成にするための設定をやってみます。
私は無精なので、HDDにあるデータ(書類、ピクチャ、ムービー、ミュージック、ダウンロード)をそのまま使うことを考えました。HDDをまっさらにして、Time Capsuleから復帰させてもよいのですが、数百GBもあるので時間がもったいないです。
あるものは使えと、考えました。
では、何をするかというと、SSD側にあるユーザの書類、ピクチャなどのフォルダの代わりに、HDD側にある書類、ピクチャなどのフォルダへのシンボリックリンクを作成するのです。さすがUNIX!Windowsでも、リンク先を指定できるようになっていますが、ここはUNIXらしく、シンボリックリンクで済ませてしまうのです。
手順は以下のとおりです。実際にやってみる人は、ターミナルを起動して、慎重に行ってください。Finderと違って基本的に操作は取り消せませんので。
chmod -a# 0 ~/Documents
rm -rf ~/Documents
ln -s ‘/Volumes/Macintosh HD/Users/naosan/Documents’ ~/Documents
Documentsの部分は、Pictures, Music, Movies, Downloadsと変化させて繰り返せば、5つのデータフォルダに対して実施できます。言うまでもないですが、斜体となっているパスやユーザ名は、環境に合わせて変えてください。
1行目のchmodコマンドは、フォルダにあるアクセス権を除去するためのものです。このアクセス権とは、「何人なりともこのフォルダを削除することはまかりならん!」というものです。
ちょっと見てみましょう。lsコマンドに-leオプションを付けて実行します。
list,search,readattr,readextattr,readsecurity,file_inherit,directory_inherit
drwx——+ 3 naosan staff 102 10 27 10:16 Documents
0: group:everyone deny delete
1: user:_spotlight inherited allow
下の2行がアクセス権(ACL)です。0番が削除禁止を意味しており、chmodコマンドの-a# 0の0はこの番号を意味しています。
話を元に戻しましょう。実は、rmコマンドの実行で、当然のことながらFinderから見えるフォルダも消えていき、lnコマンドの実行で再び現れます。ただし、「書類」といった日本語のフォルダ名(エイリアス)は復活しません。これはちょっと気持ち悪いですが、実利をとって諦めましょう。
なお、サイドバーの「よく使う項目」からも削除されますが、これはFinderの環境設定で設定し直せば出てきます。
ですが、これでめでたし、めでたしといかないんですねぇ。これも当然で、なんとFinderからDocumentsなどに触ると、フォルダ内容が表示できないという意味のバッテンが出ます。
これも当然で、SSDに作った自分と、HDDにいる自分は違うので、アクセス制御に引っ掛かってフォルダの中身を見ることもできません。
困りますが、これはHDD側のフォルダの情報をFinderで「情報を見る」で表示させ、ロック(鍵アイコン)を解除し、一番下にあるアクセスリストに自らを「読み/書き」で追加しましょう。そして、歯車アイコンをクリックして、下位項目すべてに適用しましょう。
ちょっと時間はかかりますが、これで新旧ユーザの双方からアクセス可能になりました。バッチリ、フォルダの内容も見えますし、書き込みも変更もできます。写真の取り込み、iTunesの同期、まったく問題なく動作します。
まぁちょっとしたおかしな点はまだ残っているのですが、目的は達成できました。おかしな点は、これからゆっくり解消していきましょう。最悪の場合、HDDはまっさらにしてデータを復旧し、独立したデータ領域として多少の不便は我慢すればいいのです。
まぁまだやることはちょっと残っていますので、明日でそれをやって、締めくくりとします。
追記(2013/11/13):後続の記事との整合性のためにタイトルと内容を若干変更しました。