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「ジェノサイド」、さすが「このミス」1位、サイエンスミステリー好きならオススメ。

高野和明著「ジェノサイド」読了で、オススメと感想など。

単行書が刊行されたときに話題になったし、このミス(このミステリーがすごい!)2012年版で1位になったし、週刊文春ミステリーベスト10でも1位になったので、ご存じの方は多いはず。というか、ブログ主の家族も皆知っていたが、知らなかったのはブログ主のみという体たらく。ブログ主は、フィクションものにはあまり興味がないからなぁ…。

と言い訳しておいて…。

新刊.jpの新刊ラジオで文庫版が取り上げられていて、面白そうなのでさっそく購入して読んでみた。

一言で言うと、上質なミステリー、というよりはサスペンスか。謎が謎を呼んで飽きさせないのだが、手に汗握るようなスリル感もたっぷりで、一気に読んでしまった。う〜む、さすがに「このミス」1位の本だなぁ。

コンゴの奥地に産まれた、人類を滅ぼすほどの存在とは?その存在を抹消すべく米国より派遣された“ガーディアン”たちの運命は?追われながらも新薬を作ることを運命付けられた日本人大学院生の成否は?そして彼らを結ぶ1本の線を引いたのは何者か?日本、アメリカ、コンゴ、この3極を基点に展開する世界規模のエンターテインメント。

破綻なく緻密によく練られた設定だ。IT、暗号化理論、生化学、軍事に興味があればさらに楽しく読めるだろう。そういう意味で、ブログ主にはドンピシャだった。

一貫したテーマは、「闘い」である。なぜ人間は人間同士殺し合えるのか?人間は味方同士殺し合う不完全な存在なのか?こんな不完全な人間こそが抹消されるべき存在なのか?そして、ブログ主が勝手に設定したテーマ「親子」。親子とは、時間はかかってもいずれは理解し合える存在になり得るのか?

最後に、作者は日本人が嫌いなのかな?という記述がちらほら見られたのが、ブログ主にはちょっと残念。

文庫版の装丁にも味があるが、単行書の装丁の方が味があるなぁ。でも単行書はハードカバーなんだよ、ハードカバーの本は、ちょっと買いづらい。

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