MacのParallels Desktopを使ってWindows 10を使用していますが、ディスク容量が逼迫してきました。仮想マシンのいいところは、ホスト側のディスクに余裕がある限り、仮想マシンのディスク容量を増やせることです。さっそくやってみました。が、意外な伏兵が登場しました。「回復パーティション」です。こいつの存在で、ディスク容量を増やせません。ではどうしたらいいのでしょう?
※仮想マシンでの話ですが、「回復パーティション」を削除してディスク容量を増やすのはスタンドアロンと同じです。参考にして下さい。
※ディスクの操作にはリスクがあります。万が一、データが破損しても復旧できるようにバックアップを取っておくなど、自己責任でお願いします。
まずは、どういう状況か確認しましょう。システム関係のツールである、「ディスクの管理」をスタートメニューから起動します。
パーティションの状態を見てみると、「回復パーティション」(と書かれている)という部分がCドライブと未割り当て領域の間にあり、Cドライブが拡張できないことがわかります。
この「回復パーティション」を削除しましょう。ちなみに、「回復パーティション」の削除は、「ディスクの管理」からはできません。diskpartという特殊なツールを使います。また、「回復パーティション」を使うと、万が一の際にCドライブを復旧させることができなくなります。そのことも理解の上、先に進んで下さい。ここで、「ディスクの管理」は閉じてしまって下さい。
diskpartは、コマンドプロンプトから起動するツールです。まずはこのコマンドプロンプトを起動します。コマンドプロンプトの起動には2種類ありますが、「管理者」と書かれた方を起動します。システム関係の内容を変更する場合には、管理者権限が必要だからです。
このようなウインドウが開いたら、「diskpart」と入力してEnterキーを押します。これで、diskpartが起動します。
あとは順次、このウィンドウ内で入力していく作業になるので、スクリーンショットは省略して、操作内容だけを示すことにします。入力する部分は太字にしています。[Enter」とあるのは、Enterキーを押すという意味です。
Microsoft Windows [Version 10.0.14393] (c) 2016 Microsoft Corporation. All rights reserved. C:\WINDOWS\system32>diskpart [Enter] Microsoft DiskPart バージョン 10.0.14393.0 Copyright (C) 1999-2013 Microsoft Corporation. コンピューター: XXXXXXXX-MBP-WIN DISKPART>
接続されているディスクの一覧を見てみます。「list disk」と入力してEnterキーを押します。
DISKPART> list disk [Enter] ディスク 状態 サイズ 空き ダイナ GPT ### ミック ------------ ------------- ------- ------- --- --- ディスク 0 オンライン 240 GB 40 GB DISKPART>
ディスクは1個だけなので、「ディスク 0」だけが表示されます。多くのPCでは、こんなもんでしょう。そこで、作業対象のディスクを指定します。ディスクが1個だけなので必要ないですが、一応やっておきます。「select disk 0」と入力してEnterキーを押します。
DISKPART> select disk 0 [Enter] ディスク 0 が選択されました。 DISKPART>
「ディスク 0 が選択されました。」と出ているのを確認して下さい。このディスクのパーティション構成を見てみましょう。これが、「ディスクの管理」で見たものに相当します。「list partition」と入力してEnterキーを押します。
DISKPART> list partition [Enter] Partition ### Type Size Offset ------------- ------------------ ------- ------- Partition 1 プライマリ 350 MB 1024 KB Partition 2 プライマリ 198 GB 351 MB Partition 3 回復 450 MB 199 GB DISKPART>
パーティションが3つあるのが見えます。そして、Typeが「回復」のパーティションがあります。これこそが、削除すべきパーティションです。このパーティションを作業対象とするために、「select partition 3」と入力してEnterキーを押します。このとき、「3」はディスクの状態によって変わりますので注意して下さい。Typeが「回復」となっているパーティションの番号を指定して下さい。
DISKPART> select partition 3 [Enter] パーティション 3 が選択されました。 DISKPART>
「パーティション 3 が選択されました。」と出ることを確認して下さい。そして、この次のステップが、いよいよ回復パーティションを削除する作業です。落ち着いて進んで下さい。ディスクの選択、パーティションの選択に問題なければ、「delete partition override」と入力してEnterキーを押して下さい。「override」と付けるのは、システム関連の重要なパーティションでも削除していいよという指示です。そこまでの覚悟で臨んで下さい(大げさ)。
DISKPART> delete partition override [Enter] DiskPart は選択されたパーティションを正常に削除しました。 DISKPART>
あああ、削除されました。もう、あとには戻れません。削除したあとのパーティション構成を確認しましょう。「list partition」です。
DISKPART> list partition [Enter] Partition ### Type Size Offset ------------- ------------------ ------- ------- Partition 1 プライマリ 350 MB 1024 KB Partition 2 プライマリ 239 GB 351 MB DISKPART>
「回復パーティション」が消えていますね。これで、diskpartの操作は終わりです。コマンドプロンプトのウインドウを[×]ボタンを押して閉じてしまって構いません。
ここで、最初に起動した「ディスクの管理」を再び起動します。今度は、「回復パーティション」がなくなって、「未割り当て領域が大きくなっていますね。この未割り当て領域を使用して、Cドライブを拡張しましょう。Cドライブの領域でマウスの右クリックを行い、「パーティションの拡張…」を呼び出します。
「ボリュームの拡張ウィザード」なるものが起動します。まずは、「次へ」をクリック。
何やらいろいろ言われていますが、要は拡張しかできないということなので、拡張が目的なので問題ありません。そのまま「次へ」をクリック。
拡張された旨のメッセージが出れば、成功です。「完了」をクリック。
Cドライブが広くなって、未割り当て領域がなくなっていますね。これですべての作業は完了です。
完全なGUIツールだけで完結できないという問題はありますが、手順さえ押さえれば安全に確実に目的を達成できます。また機会があったときのために、控え的にまとめました。「回復パーティション」の存在でドライブがうまく拡張できないという場合の参考になれば幸いです。