9月に、Mac用の新しいOS、macOS High Sierraがリリースされましたので、前の三連休を活用してアップグレードしてみました。過去のバージョンでもそうでしたが、単にアップグレードするだけでなく、一度クリーンインストールしてからバックアップで復旧ということをやっています。
そのメリットは、前バージョンからの引き継ぎで残るゴミがなくなり、ディスクスペースが有効に活用できることでしょう。デメリットといえば、何といっても時間がかかること、そして最悪データを失う可能性がある、ということでしょうか。
通常のアップグレード
- (必須ではないがバックアップを取るのが安全)
- App StoreでmacOS High Sierraをダウンロード、インストール。これで終了。
今回のアップグレード
- バックアップを取る。
- App StoreでmacOS High Sierraをダウンロード、インストール。
- macOS High Sierraの起動後、バックアップを取る。
- 再起動後、「macOSユーティリティ」から、macOS High Sierraをクリーンインストール。
- macOS High Sierraの起動後、「移行アシスタント」でTime Capsuleからバックアップを復旧。おわり。
バックアップは、Time Machineを使うと便利です。純正のハードであるTime Capsuleがない場合、適当な外付けHDDにバックアップしてもOKです(通常はWi-Fi接続のTime Capsuleに対し、USB 3.0対応のHDDにすれば、バックアップも復旧も高速かも)。しかしこのTime Capsule、新しいのは出ないのですかね?
さて、この手のアップグレード記録の記事はたくさんの人が書かれていますので(例えば下記のページ)、この投稿ではうまくいったパターンは書きません。実は、macOS High Sierraのクリーンインストールにはまって何回もやり直してしまったので、ここではそっちを書くことにします。
【Mac】macOS High Sierra(ハイシエラ)をクリーンインストールする方法。
真っ当なアップグレード体験記をお望みの方は、ここで離脱されて結構ですよ。
上記のステップ3までは、何の問題もなく進みました。特にこだわりがなければ、ここで作業を終えて新バージョンを使い始めるのも良い選択です。しかし、この投稿のように「OSをアップグレードするならやっぱりクリーンインストールだよな」という特別なこだわりがある場合には、この限りではありません。
で、ステップ4のクリーンインストールなのですが、ステップ3が終わってシャットダウンしたあと、Command+Rキーを押しながらMacの電源を入れます。そこで現れる「macOSユーティリティ」の「ディスクユーティリティ」でインストール先のボリューム(たいていはMacintosh HD)を消去、そして「macOSをインストール」でインストールすればクリーンインストールも完了となるのですが、ここではまりました。
「ディスクユーティリティ」でMacintosh HDを消去すればいいだけなのですが、macOS High Sierraから「ディスクユーティリティ」の表示が少し変わっていて(APFS採用のせい?)、それに慌てた私は、よせばいいのにボリュームを消去ではなく削除してしまったのです!
ここで「macOSをインストール」を選んで先に進んでも、当たり前ですがインストール先のボリュームが出ません。ボリュームを新たに作ろうにも方法がわかりません。仕方ないから最初からやり直そうと電源を落とし、再びCommand+Rキーを押しながら起動。すると様子が違います。地球儀がクルクル回るビジュアルのあとに起動したのは、大昔の「MacOS Utility」。しかも英語です。
なんだかよくわからないまま、英語のインタフェースで「Disk Utility」でボリュームを作成し(昔のインタフェースのままなので問題なくできた)、Mac OSをインストール。しかし、MacBook Pro 2013年モデルなので、入るのは何とMavericks。まぁ、これをあとでHigh Sierraにすればいいかとそのままインストールしたら、何と英語のまま入ってしまいました。これではさすがに具合が悪いです。
「MacOS Utility」でメニューの「Language」で「日本語」に変更する必要があります。日本語に切り替えてからインストールすれば、入ったOSも日本語になります。そこでようやくMavericksをHigh Sierraにアップグレードできました。4からまたやり直しです。
今度は慎重に行きましょう。「macOSユーティリティ」で「ディスクユーティリティ」を選びます。ボリュームに「Macintosh HD」というのが普通にあるはずなので、これを「消去」します。くれぐれも、ツールバーにある「ボリュームの削除」(マイナスマークのついたアイコン)をクリックしないように。またやり直しになります。
ようやく、macOS High Sierraのクリーンインストールが完了し、Time Capsuleから復旧して、使えるようになりました。このあと、問題は起きていません。快適に使えていますが、ひとつだけ。
復旧後、最初のログインでiCloudへのサインインを要求されますが、そこでApple IDとパスワードを入力して先に進もうとしても、他のデバイス(たとえばiPhone)に出る6桁のパスコードを入れろと言われます。このパスコードの入力なのですが、何とApple IDのパスワードにそのまま「つなげて」入れるのです。最初、この意味がわからず、パスワードを入れてからパスコードの入力が求められるのだろうと何度もトライし、撥ねられました。
年々セキュリティに厳しさを求められるので、こういった仕組みはどんどん複雑になっていきますが、やっぱり仕方ないんですかね。
ひとつだけと言いながら、もうひとつ。AFPS対応の「ディスクユーティリティ」では、ツールバーの「表示」から「すべてのデバイス」を選択すると、以前のようなデバイスツリーになります。標準では、ボリュームのないデバイスは「非表示」になって慌てます。
くれぐれもご注意を。というか、もっと慎重にやれって話ですよね、まったく。