う~ん、これは面白い。単なる料理対戦ものかと思っていると、不意をつかれる。子供が買ってきたのを読んでいて、コンビニでこんな名前のパンを見かけるだけだったが、味はともかく漫画は面白い。さて、どのように面白いのか・・・。
この作品の場合、基本的に主人公の東和馬と彼の所属するベーカーリーショップであるパンタジア、それとの対戦で構成される。パンタジア南東京支店の店長松平健(どっかで利いた風な?)、オーナーの孫娘梓川月乃、凹みキャラ河内恭介、そのたの個性的な面々からなる。このコミックの特徴を一言で言い表すなら、リアクションとパロディに尽きる。それはそれで失礼なのだが、肝心のパン勝負以上にこれらの方が目立ってしまっているのだから、しようがないのだ。
リアクションとは?パン勝負の審査員である、黒柳亮やピエロ(ピエロ・ボルネーゼ)が対戦者のパンを試食した際にとる行動を指す。踊ったり叫んだり、謳ったりするならまだしも、死んで天国に行ったり、挙げ句の果てに歴史まで変えてしまうのだから、なにをか況やである。最新刊(18巻)では、埴輪になったり、見知らぬ女性とハネムーンまで挙げている。ここまでの行動をとらなければ、パンのうまさを表現できないのだから、恐るべき味と言わざるを得まい。
パロディといえば、最初のころは気にもならなかったが、だんだんと怪しくなってきた。銀河鉄道999のメーテル、ゲゲゲの鬼太郎(?)、挙げ句の果てに、桃屋のキャラクタ(三木のり平だそうだ)まで出てくる。果たして、版権は大丈夫なのか、権利関係はクリアされているのか?とか余計なことを考えてしまうが、きちんと(C)マークが付いていたりすると安心する。付いていないものは?ギリギリか?
こう言うのも楽しいが、やはり多彩なキャラクターが楽しいのだ。ちなみに、ほどよいお色気も見逃せない。和馬のお姉さん、月乃、モニカあたりがベスト3か?アクの強いキャラ、雪乃さんがちょっとおとなしくなって気がするのは、愛人?(?)のおじさん(正体はわかっている!)に飲まれているせいかな?
個人的には、河内のぼけっぷり、松平の男っぷりが好きだ。アフロにしてグラサン着用を許可してもらうように掛け合ったが、家庭、職場ともにダメであった。当たり前か。
何はともあれ、少年誌連載なのでいい歳こいたおじさんが読むにはちと恥ずかしいが、楽しめるシリーズである。
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