桜も満開ということで、近くの人影まばらな公園の大きなピンク色の傘の下で、昼食ついでの花見としゃれ込もうとしたわけです。手にはおにぎりとお茶、風はそよそよ、鳥はぴーちく、何とも言えない雰囲気、「あ~いいね~こういうの。」とくつろぎの中、彼らは現れました。
サラリーマン風、見るからに上司と部下という関係の彼らは、大きな袋を持って現れました。思わず嫌な予感が漂いますが…。案の定、彼らは袋の中から巨大なビニルシートを私の目の前に広げ、公園中から探してきた大きな石で四隅を押さえ、その場を去っていきました。この間わずか数十秒。言葉を交わすこともなく、目線だけですべての指示が行われ、手続きは完了したようです。結果、私の前には鮮やかなブルーが…。彼らは(おそらく仕事場へ)去っていきました。
私は、残りの時間をこのビニールシートの前で過ごさなければなりません。というか、この手のブルーのシートには、殺人現場の覆い、川縁もしくは橋の下の小屋、というイメージが強いです。偏見だといわれようが、そうなんです。桜には似合わない、そんな気が強いです。大きくて大人数を収録するにはうってつけでしょうが、その合理性もイヤです。せめて花を見るときくらいは、合理性を排除したいものです。う~どうしてくれようと思いつつも、振り返りながら去っていった彼らも私に不穏なものを感じたのでしょうか、あとで見つけられて追いかけられても困るので、そのままにしてその場を去りました。犯罪者にならずに済んだようです。
夜桜の下でうまい酒と料理、気のおけない仲間と談笑、こういった粋も行き過ぎれば目的忘れて無粋になりますねぇ。ちなみに、樹の下には近所の人の「ここでビニルシートを広げないでください」の立て看板が…。
コメント