【日記・本】広瀬隆氏の本についての過去記事

今夜、スパムコメントが立て続けに2通書き込まれました。両方とも同じ内容なのですが、対象の記事がどういうわけかジャーナリスト広瀬隆氏の本について書いたものなのです。コメント自体はうっとうしいのですぐに削除しましたが、あの古い記事に対してどうしたことかと思ってアクセス解析を見ました。すると、昔に書いた広瀬隆氏の著作についての記事の閲覧が非常に多いことに気付きました。

危険な話

新版 危険な話―チェルノブイリと日本の運命 (新潮文庫)

東京に原発を! (集英社文庫)

現在、いちばん閲覧数が多い記事は、iPhoneやiPod, iTunesに関するものなのですが、その下くらいに、広瀬隆氏の「危険な話」と「東京に原発を」が来ています。ついでに検索ワード、検索フレーズを調べても、似たような傾向です。現在、福島第一原発で起きている事象に無関係な本ではないのですが、「広瀬隆 危険な話」などでGoogle検索してみると、なんと1ページ目に出てきますので、なるほどと納得しました。

昔書いた記事。

東京に原発を!―広瀬隆

危険な話―広瀬隆

原発がああいう状況ですから、この手の本に興味を持つ人が多いのでしょうか。この2つの記事からは伝わらないかも知れませんが、私のスタンスは、現状では原発の必要性は否定できない、だけどその危険性はよく周知しマネジメントすべき、というものです。二酸化炭素排出による温暖化、火力発電が主力であることによる中東依存、どんどん増大する電力需要に対する安定供給など、原発の存在感は大きなものです。

ですが、包含する危険性は、相当なものです。その基本原理は、核分裂を起こして発生する熱エネルギーで水を熱し、発生する蒸気でタービンを回して発電するというものです。核分裂の際には放射線が発生し、さらに核分裂後には別の放射性物質が残ります。この放射性物質には猛毒のプルトニウムも含まれており、その扱いは慎重の上に慎重を要します。

この危険性を封じ込めるために、さまざまな技術、ハイテクが駆使されるわけですが、完全無欠のものなど世の中に存在しない以上、どこかに穴が生じる可能性があるわけです。その穴の大きさや穴の発生頻度が問題になるわけですが、こればかりは予測不可能と言わざるを得ません。確率論的にほぼ問題なしといえども、「ほぼ」はどこまで行っても「ほぼ」であり、100には絶対になり得ないわけです。

今回は、老朽化した施設に未曾有の災害が組み合わさったというパターンですが、まさにこの穴を突かれたという感じでしょう。幸い、地震の発生を検出して運転は停止しましたが、予備電源系統、しかも複数あるものが一気にダメになるとは想定されていなかったのではないでしょうか?

私は原発の専門家ではないので、聞きかじった話と憶測で書くのはこの程度にしておいた方がいいですね。ついついこの手の話には文字どおり熱が入ってしまいます、いかんいかん。

世の中のIT化はどんどん進んでその分電力需要は増大します。また、EV(電気自動車)の普及に各方面が躍起になっているので、それも電力需要の増大に一役も二役も買います。オール電化住宅の普及に電力会社が躍起になっており、電力需要は増える一方でしょう。それを担うのが原発ですから、私たちは便利な世の中になる反面、どこかに大きなリスクを抱えているということを常日頃から意識せざるを得なくなっていると思います。

今回の地震による東京近郊の交通網の乱れや停電などで、「節度」や「我慢」といったことを改めて学びました。このまま電力需要を増やす一方のままにしておいてよいか、そうだとしても原発に頼り切るのでよいのか、電気を利用する皆(もちろん私などその筆頭です)が考えるよい機会と思います。

コメント

  1. 便利な暮らし より:

    東京?にいて、原発は必要だとお気楽に語る人はけっこういます。
    半年もすぎで未だ事故の真っ最中だということを踏まえてのスタンスでしょうか。
    何万人もが故郷を追われ、そして、それをはるかに上回る人が、環境と健康に不安を感じています。そんな他人の痛みを放置して、便利な暮らしをつづけたい?