雪辱の「辛いもの探検隊」をいってみます。前回は、思い焦がれた六本木「参○伍」の辛い系メニュー廃絶に打ちのめされ、ならばと入った六本木「大勝軒」ではおかわりできずと、打ちのめされ感が漂ったN氏が哀れでしたが、今回はどうなのでしょうか?
前回の記事:
【辛いもの探検隊】(なりゆきで)六本木大勝軒の辛つけ麺(1)
【辛いもの探検隊】(なりゆきで)六本木大勝軒の辛つけ麺(2)
【辛いもの探検隊】(なりゆきで)六本木大勝軒の辛ラーメン
六本木、「一蘭」。博多とんこつラーメンのお店です。六本木に限らず各地で出店展開されているようですので、気になる方は調べてみるのもよいかと。辛いもの探検隊のメンバー、グラフィックデザイナーN氏が同行です。
地下鉄六本木駅出口からすぐ。松屋六本木店の上。
蒸し暑い夜、世の中はすっかり夏休みモードの中、仕事を立派に(無理やり?)切り上げて出向いたのでした。暑さのせいか、仕事が終わった達成感か、気分が高揚します。
このお店は少々変わったシステムになっているのですが、それはあとで紹介するとして、まずはのれんをくぐって券売機でチケットを購入しましょう。
写真はすべてiPhoneで撮っています。ぶれてしまいましたが、基本メニューは「ラーメン」790円のみ。これにトッピングと替え玉、ごはんなどのオプションを加えていくというシステムです。
私は、ラーメンにきくらげ100円とネギ増量100円を選択。しめて990円。結構な値段です。私の昼食にかけるコストの倍以上です。何だかN氏、頭が妙なことになってますが、大丈夫でしょうか?
チケットを購入したら、またものれんをくぐります。こっちが本当の入口です。右手に映り込んでいる怪しい人影に注意。
のれんをくぐると、ん?何だかデジャヴ感のあるこの雰囲気…。銭湯にでもやってきたかのような…。よく見るとこれは空席案内板です。「空」と表示されている席が空いている模様。なんだ、けっこう空いている、というかガラガラじゃないか。とにかく、奥から詰めて座るシステムのようです。なるほど、これなら店員の案内は不要ですね。シンプルです。
いけねぇ、入口から見た座席の写真を撮り忘れました。ということでいきなり着座していますが、こんな雰囲気です。右手は箸立て、左手は給水器です。ここからコップに冷水を注いで勝手に飲む仕組みです。ちょっと雰囲気が異様なのにお気付きでしょうか、赤いのはのれんで、これによって向こうを行き来する店員さんの姿は見えませんし、向こうからも見えません。手前の白いヒモのようなものはボールペンにつながっています。なぜにボールペン?
それに、席から斜め上を見上げるとこんな風景で、隣の席は仕切りで見えません。つまり、半個室状態で、店員さんとも直接顔を合わさないで済むというのが、ここのシステムです。へぇ、驚きですね。何とかホテルみたいです(アホ!)。
状況を確認したら、注文したものをチェック。確かに購入されています。そして、右の紙は何でしょう?これは、ラーメンをカスタマイズするための仕様書です。ボールペンは、このためにあったのですね!私はこの店が始めてでよくわからないので、味の濃さ、こってり度、にんにくを基本としました。ねぎはあえて関東風の白ネギ、チャーシューあり(なしってのもあるんです。へぇ!)、めんは固めで。
そして、肝心の「秘伝のタレ」。これが辛さをコントロールするもので、30種類の素材が云々、と書かれています。はじめての方は1/2がおすすめ、などと書かれているので、じゃぁ初めてだし1/2でと思ったら右に基本というのがあり、「どっちだよ!」と迷ったのですが結局基本にしました。辛さのレベルを検証してから、2倍などにチャレンジすればよいでしょう。
ちなみにN氏はこともあろうに「10倍」を注文。お店の人も快く応じてくれたそうですが、ヲイヲイ大丈夫かよと普通は思いますよね。ところで「呼出ボタン」とは何?これを押すと、お店の人が飛んできてくれます。
注文完了。お店の人がチケットと仕様書を回収し、しばしお待ち下さいになります。水でも飲んで、ゆっくりとあたりを物色しましょう。レトロ感の漂う店内は、コートかけ、壁ティッシュ、壁楊枝、など備品はバッチリです。
さて、待つまもなくラーメン到着。すると、目の前にすだれが下ろされて、向こうが完全に見えなくなります。心地のよい密室感が漂います。ラーメンを啜る姿を誰にも見られない、これがここのシステムです。
前置きが長くなりました。肝心のラーメンです。きくらげ追加、ネギ増量ですからそれで表面が覆われてしまっています。下の方にチャーシュー発見。中央の赤いのが「秘伝のタレ」です。最初はタレを混ぜずに、普通の部分のラーメンを食え、と但し書きにあります。
ラーメン自体は、ふつうにおいしいものです。「基本」で貫き通したせいか、油も控えめ、味も控えめです。麺は固めなので、歯ごたえのあるストレート麺がスープに絡んでおいしいです。チャーシューは脂身が少なくスープにマッチします。
辛みといえば、「ピリ辛」レベル。汗かきかき、というほどにはなりません。水もいらないレベル。ですので、N氏の10倍のスープを少し分けてもらいましたら、むせて咳き込みました。とたんに水関係器官がフル稼働してタオル、水、など総動員です。
あ、N氏の記事は、別の日に紹介しますからね。
ところで、今頃気付いたのですが、このお店には薬味(胡椒、紅ショウガなど)がありません。つまり、出てきたものをそのまま食べるしかありません。同じ博多ラーメンでも「一風堂」あたりとは相当コンセプトが違います。
なかなかおいしいのですが、麺はあっという間になくなります。そこで替え玉の出番なのですが、すでに990円を出費しているので、替え玉の160円は痛い!と逡巡したのですが、まだたっぷりあるスープが「かえだま、かえだま~」と歌っているのを聴いて、縁台から飛び降りる角ゴもとい覚悟で注文を決行しました。
さて、またまた面白いここのお店のシステム。なんと、このお箸の袋が注文書になっているのです。希望の箇所に○をして、前方にあるボタンを押して、代金と一緒に店員さんに引き渡すシステムです。なるほど、無言のうちに追加メニューを注文できるシステムなのですね。
到着した替え玉。さすが博多ラーメン、すぐに麺がゆであがって間髪入れずに食べ続けられます。替え玉を追加すればおなかいっぱい、大満足というレベルですね。ちなみに「半玉」があってそっちは100円で量も半分です。普通ならこっちでよいかも。
満足しました。食べ過ぎです。もう少し安ければなぁ、というのが正直な感想ですね。気楽に食べに来る、ということはなかなか難しいです。
ここまで書いた、このお店独特のシステムは、「味集中システム」として特許出願中だそうです。確かに、人の眼は気になりにくくなりますが、けっこうお客の側は作業が繁雑になるのですよね。一声かければ済むのに、紙に書いてボタン押したりと…。
システムの詳しい話は、Web、じゃなかったこの備え付けのミニパンフレットで!
しかし、チャルメラ音、ソナー音が店内に響くのは独特で面白いです。ほかにも売り物はたくさんあるようですから、近くにお店のある方は一度出掛けられてはいかがでしょうか?
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