[本]「これからの人生 お金に困らない本」日経ヴェリタス編集部編

日経ヴェリタスの定期購読キャンペーン「こしなかアゲイン」でもらった本、ようやく2冊目読了です。「これからの人生 お金に困らない本」…、何とも即物的なタイトルです。まぁ誰だって、将来、お金に困りたくないですよね?

ふつうならお金に困ってしまうわけで、だからこういった本の登場となるのでしょうが、果たしてどんな身もふたもない内容なんでしょうかね?

オリジナルは、日経ヴェリタス紙に2010年から2011年にかけて連載された「千里の道」という連載。それをその後の世界情勢の変化に合わせて補足修正したものということです。短いストーリーを60話詰め込んだ感じになっていますから、読みやすいです。

Amazonのカバー見本には帯は付いていませんから、肝心の情報が落ちてしまっていますよね。そこに、この本の構造が書かれています。ちょっと引用してみましょう。

現代に生きる3家族のはるかなる“マネー航路”の物語。

う~ん、何のこっちゃ。もうちょっと突っ込んでみませんか?

定年まであと5年で800万円(今田家)
アラサー夫妻、50歳までに1億円(未来家)
70代おしどり夫婦、残りの生活費2000万円(過去田家)

要は、年代別の3家族のマネーに関わるお話集、という感じでしょうか。30代、50代、70代、とバランスよいですね。

30代は、まだまだ先は長い!いかに大きく資産を膨らませるか、というのがテーマ。50代は、定年を目の前にして老後の資金が現実になってくると言うのがテーマ。70代は、今ある資産でいかに一生を乗り切るかというのがテーマ。まぁ年代が違えば目的も方向も異なるのは当たり前と言えましょう。

帯のメインキャッチ「知恵と制度は使いよう」とあるように、今の各種制度を知り理解し適用することで、いかにうまく資産形成、資産運用するかというのがメインテーマなのです。まぁ、読めば読むほど、いろいろ面倒くさくなってくるのですけどね。

便利でお得な制度も、存在を知らなければ利用できません。当たり前のようなんですが、何かあってもわざわざあちらから知らせてくれることは少ない。利用する側が知っていて、必要に応じて申請しなければ適用されないという面倒さ。

でも、歳を重ねれば重ねるほど、そういうものは知っておかないとダメだな、とちょっと怖さも感じさせるお話です。

でも私をはじめとして、老後の備えなんてあまり現実的でないのも事実。60年で定年退職し、その後30年生きるとして必要な資金が3,000万円だとか。う~む、こんな大金を準備できる人なんて少数派じゃないの?とマジで思いますが。

持ち家のありなし、住んでいる地域、家族や親類の状態など、条件が違えば必要な資金も変わりましょう。必要なのは、絶対的な金額ではなく、自分なりのプランがしっかり固まっているということでないかな?

どうやって生きるかということより、どう生きるか、という方が重要だと考えさせてくれる一冊でもあります。

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