仕事では互換性維持のために、ワープロソフトWordを使っているが(個人的には一太郎がいいのだが、孤立してしまうので)、これは複雑怪奇な動きをするものだ。何度、長時間の作業をフイにしたことか。今回も…、もう、サルと呼んでもらいたい。
私は、Wordドキュメントをもらったときには、Wordの持つ機能である校正機能を使って履歴を残し、返すことにしている。これを使うと、どこに誰がどのような手を入れたか、あとからわかるためだ。手を入れなくても、コメントを入れておけば、具体的な場所を指定することなく、簡単に指示や示唆を伝えることができる。これは非常に便利な機能だ(その割には、なぜか使われていない機能でもある)。
しかしこの機能、あまりに変更内容が抜本的なものだったりすると、その変更を覚えきれずにひどいことになるようだ。例を挙げてみよう。
- 用紙サイズを変更
これを行うと、ひどい場合にはそのまま無応答になる場合がある。ほとんどは、変更前より用紙が小さくなる場合だ。表やグラフィックを含んでいる場合も、この危険度は高まる。うまく変更して保存したら、今度はそのファイルが読み出せなくなる場合がある。
- スタイルを変更
これも、危険度が高い。特に、本文のスタイル(標準)を変える場合は要注意だ。最悪、無応答、二度と開けないファイルができあがる。
特に、「二度と開けなくなる」は最悪だ。もう、この怒りをどこにぶつけたらいいのだ?といった激情に駆られ、画面にパンチを食らわして返り討ちに遭うくらいである。こういった不幸を防ぐためには、こういった方法が有効のようだ。
- 大きな変更時には、履歴の記録をいったん切る。
これは有効だ。たとえば、用紙サイズを変える場合には、履歴記録を切る。ツールバーのボタンを押すだけだ。あるいは、[Ctrl]+[Shift]+[E]キーを押す。これはトグルになっているので、押すたびに状態が切り替わる。
- 多重バックアップを取る。
これも有効だ。大きな変更の前にはいったんファイルを保存し、変更後には別ファイル名を使って保存する。できれば、変更前のファイルを開いてみて、そこまでは問題なく開けることを確認する。いくつもファイルができて見苦しいが、作業がフイになるよりはいくらでもマシだ。難点は、面倒なことだ。
さて、いろいろ手を講じても開けなくなったファイルはどうするか?答えは、生みの親であるMicrosoft社が用意していてくれた。
私の場合は、開けなくなることがほとんどだからそこに絞って実践してみた。だが、ことごとく敗退する。特に頭に来たのは、はじめて目にする「修復フィルタ」というものだ。これを使って読み込むと、確かに文字などは切り出されるが、校正機能を使っていると、消した文字などもそのまま現れる!これではとても使えない。ところどころ文字が化けて意味不明になってしまっているのも笑える。
実は、ちょっと前にこういう状況に陥った際には、Wordに何回か読み込ませると徐々に不良箇所を除去していってくれたことがある。これは、Wordが正気を保っていることが必要なようで、今回のように正気でない(無応答になる)場合には、そういったことを行う余裕もなくなるのだろう。
ちなみに、使っているWordは2002(XP)、周辺にいる2003ユーザに依頼しても状況は変わらずであった。派手な変な機能を付けるより、抜本的な安定性、安全度を高めよ、Microsoft!
「そんな機能を使う方が悪いんですよ」などと知った風なことを言う輩もいるが、付いている機能を使って何が悪い!そもそも機能は使うためにあるんじゃ!しかし、危なっかしい機能を使わないというのも一理ある。そんな狭間で笑っているのは、ベンダーのみのようである。
コメント