蜥蜴の尻尾切り。

時事ネタは苦手なのだが、やっぱり一言簡単に書き残しておきたい。
例の構造設計書偽造に関わる問題は、蜥蜴の尻尾切りで済ませてはならない。
設計士の資格を剥奪するとか、除名するとか、当局は偉そうに発表しているが、
本当のことを知っているから、積極策を採らざるを得ないのではないのか?

当の建造物に住んでいる人たちへ支援策を打ち出した自治体も、自分たちの非の目くらましに積極策を打ち出しているのではないのか?

本来、商取引としては、購入者に対しての責は販売者が負うのが妥当である。販売者が責を問うのは、建築業者、設計業者、認可業者、自治体の担当部局など。
要するに、下流から上流に向けて、仕事の流れに応じて責任の流れというものは存在する。
だが今回は、そういったスキームを飛ばして、いきなり購入者支援に動いている。
また、設計者の断罪に急いでいる。

もちろん、いつ起こるかわからない地震に対して、居住者の保護を打ち出すのは正しいことであり、行われなければならないことだ。
だが、このさきいくつ発生するかわからない欠陥案件、当の構造設計士のみの関わった案件のみを見ていればそれでいいのか?

違反を犯した設計士を資格剥奪するのは当然だが、当局はこのような事態が発生した根本的な要因を突き止め、再発防止に尽力すべきであろう。
それができないのは、自らが当事者であるのか、それをくらますためか。

いずれにしろ、いつも軽く見られているのは、人命だということだ。
このあいだの尼崎の脱線事故といい、ちょっと想像力を持っていればわかりそうなものだが。
どんどん前に進むのもいいが、失ったものを取り戻すのは難しいか、不可能であるということを少し知っておいた方がいいのではないかな?

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